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文/斉藤勝司
生き物の死骸を食べる「海の掃除屋」と呼ばれてきたが……
北海道から九州にかけての日本の広い地域に分布するイトマキヒトデ。その動きはとてもゆっくりで、生き物に触れることができるタッチプールで飼育している水族館は多く、水族館好きの「子供の科学」の読者の中には、手で触れてイトマキヒトデの動きの遅さを体感したことがある人もいることでしょう。
動きがゆっくりであるため、イトマキヒトデは海藻や、そこにいる小さな生き物、そして、生き物の死骸を食べていると考えられ、これまで「海の掃除屋」と呼ばれてきました。ところが、北海道大学の研究グループが、実際に海岸でイトマキヒトデが何を食べているかを調べたところ、カニを消化しているヒトデが何度も観察されました。そこで研究グループは、日本各地に生息するヒライソガニに対するイトマキヒトデの捕食行動を調べる2つの実験を行いました。
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