ニュートリノの研究で2002年にノーベル物理学賞を受賞した、東京大学名誉教授の小柴昌俊
先生が、11月12日にお亡くなりになりました。94歳でした。
小柴先生は、3000tもの水を入れた巨大なタンクの観測装置「カミオカンデ」のアイディアを考案し、1983年に完成。もともとは「陽子崩壊
」という現象を探すための装置でしたが、宇宙から飛来する素粒子「ニュートリノ」を捕らえる装置として改良し、1987年2月23日に大マゼラン星雲で起きた超新星爆発で生じたニュートリノの観測に成功しました。
そして「ニュートリノ天文学」という新たな分野を切り開いた功績により、2002年にノーベル物理学賞を受賞したのです。
また、小柴先生は子供時代、『子供の科学』を愛読されていた、読者のみなさんの大先輩でもあります!
ここではノーベル物理学賞受賞直後に取材をさせていただいた『子供の科学』2002年12月号の記事、および2007年4月号で行ったスペシャルインタビューを特別公開します。
「カミオカンデ」の後につくられた「スーパーカミオカンデ」では、小柴先生のもとで研究に携わった東京大学宇宙線研究所長の梶田隆章
先生らが、ニュートリノに質量があることを確認し、2015年にノーベル物理学賞を受賞しています。2020年12月10日発売の『子供の科学』2021年1月号では、連載「ビーカーくんがゆく」のコーナーで、人気キャラクターのビーカーくんがスーパーカミオカンデに見学に行くマンガも掲載されます。
ぜひ『子供の科学』読者のみなさんの中から、小柴先生、梶田先生に続く、素粒子物理学の新たな発見をする研究者が誕生してほしいと思います!
取材・文