1924(大正13)年の創刊から100年間、科学への好奇心あふれる子供たちを応援し続けてきた雑誌『子供の科学』。誌面に載っている最先端の科学の話や、驚きの実験、おもしろい仕掛けの工作などにワクワクして育った読者から、ノーベル賞受賞者をはじめとした大発見をする研究者、画期的な発明をする開発者たちが生まれました。 そんな『子供の科学』を読んで育った読者からメッセージをいただいています。
──『子供の科学』はいつごろ読まれていましたか? また、出会いの経緯を教えてください。
小学生の私は科学少年でした。いつも、「なぜ?」「なに?」に飢えていた私にとって、世の中の大人が教えてくれる理屈には納得ができるものもあれば、子供だましで納得ができないものもあったり……。
そんななか、科学者の父親が買ってきたのが『子供の科学』でした。納得できないことは納得できないと主張する。気が済むまでいつまででも探求する。子供こそ、一番純粋な「科学者」ではないでしょうか? 子供相手でも妥協なくいつも正しい科学を伝える『子供の科学』は、小学生の私にとって安心感があったのを覚えています!
──『子供の科学』のどんな特集に興味があったか、思い出に残っている記事などがあれば教えてください。
いつでも一番ドキドキしたのは、ノーベル賞を受賞した研究者の記事!これが世界の最先端なんだ、いつかは私もこんな立派な科学者になれるかな、と食い入るように読んでいました。
──子供時代に育んだ科学への興味は現在のお仕事や活動、考え方等につながっていますか? どんなつながりや影響があるか教えてください。
科学とは妥協のない探求の道であり、正しいことは正しいと貫く信念だと思っています。たとえ子供を相手にしても、科学的に間違ったことは絶対に書かない。その「科学する心」を教えてくれた『子供の科学』は、いつでも科学者としての私の原点です。
──『子供の科学』100周年に寄せてコメントをお願いします。
100周年、大変おめでとうございます。科学史の浅い我が国において、知識でなく、そこに至る考え方という科学の本質を子供に広めた『子供の科学』の役割は、言葉では表現しきれないものがあると思います。これからも、次の100年間に向けて、「『子供の科学』の子」を育てていただくことを楽しみにしています。
──今の『子供の科学』の読者たちにメッセージをお願いします。
科学する心は、みなさんの中にあります。科学する心を忘れずに、立派な科学者になってください!