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文/保谷彰彦
絶滅寸前だったラッコ
ラッコは北太平洋の北アメリカ大陸から千島列島の沿岸に生息していますが、世界的に絶滅の危機にさらされています。その主な原因は毛皮を目的にした乱獲です。アメリカ・カリフォルニア州の沿岸のエルクホーン湿地にも、昔はたくさんのラッコが棲んでいましたが、やはり絶滅寸前にまで減少し、それに伴って生態系が変化しました。たとえば、沿岸の湿地に元々生えていた植物が減り、景色も変わってしまったのです。そうした中で、数十年にわたるラッコの保護活動により、この湿地帯ではラッコの個体数が回復しつつあり、2000年代前半に数十頭に、2000年代後半には100頭以上に増えました。
このほど、デューク大学(アメリカ)などの研究グループは、ラッコの数が増えて、湿地の植物を食べるイワガニを補食するようになり、湿地に元々生えていた植物が回復しつつあることを明らかにしました。
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