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文/白鳥 敬
離れた場所にいる人に自分の手の「感触」を伝える
友達と手をつなぐと仲良しになった気がします。これは、手のひらや指で相手の手の感触を感じるからです。しかしインターネットなどの通信ネットワークを利用したコミュニケーションでは、触覚を感じることはできません。産総研、東北大、筑波大、(株)Adansonsによる研究グループにより、手を動かしているときの手や指の振動を読み取りデジタルデータに変換して、離れた場所にいる人に同じ感触を伝える技術が開発されました。
手首にリストバンド型のハプティックデバイス(生体センサー機能を持つ薄くてやわらかい基板)を装着して、手で何かに触れると、デバイスが発生する振動を測ります。すると、もう一人の人が装着したデバイスがその振動を再生して相手の感じた触覚がわかる、という仕組みです。
このとき、ただ振動を伝えるのではなく、1秒間に1回から1000回という幅広い周波数帯で、複数の異なる振動を同時に送ることができます。例えば、手のひらで1秒に数回感じる鈍い振動と指先で1秒に数十回感じる振動を同時に相手に送ることで、モノに触れたときの微妙な感触を伝えることができるのです。
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