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文/斉藤勝司
木の上よりも地上のほうが外敵に食べられやすいのに……
モリアオガエルは池や沼などの流れのない水面上にせり出した枝先に、泡に包まれた状態で卵を産み、泡巣と呼ばれる巣をつくることが知られています。産み落とされてから1週間ほどで卵から孵ったオタマジャクシは、雨に濡れて溶けた泡とともに落下して水中生活を始めます。
ところが、地域によって、泡巣をつくるのに適した枝先があっても、水辺脇の地面に泡巣をつくるモリアオガエルがいるのです。木の枝先と違い、地上に産み落とされると外敵に捕食されやすくなるはずで、どうしてモリアオガエルの中に地上に産卵するものがいるのかは分かっていませんでした。そこで名古屋大学大学院生命農学研究科の研究グループは、地上に産卵するモリアオガエルがいる理由を明らかにする研究に取り組むことにしました。そして、この研究に際して注目したのが、泡巣内の温度でした。
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