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文/白鳥 敬
材質の硬さから力加減を判断
通信ネットワークを利用して遠く離れたところで稼働するロボットを遠隔制御するハプティクスという技術が注目されています。日本では慶応義塾大学ハプティクス研究センターが、長らくこの分野の研究を続けています。
このたび、同研究センターは(株)NTTドコモと共同で、同大が開発したロボット制御技術「リアルハプティクス」を利用して、指に加える力の加減をして、つかもうとする物に合った力を出すことができる半自律型ロボットハンド・アームの遠隔無線通信実験に成功しました。モノをつかんだときの感触(力触覚情報という)から、材質の硬さ・柔らかさをロボットアームが自分で判断し、それに合わせた掴み方をしてくれるものです。
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人手不足を解消できる!?
少子化や人手不足のため、遠く離れた現場で作業をするロボットをリモート操作する技術が注目されています。たとえば、倉庫などで箱詰め・配送作業をするロボットを本社で管理して指示を出すとき、商品が卵だったりチーズだったりいろいろあるので、それぞれに力加減ができるロボットアームでないと仕事になりません。こういったシーンで、ほぼ自律的にロボットアームが自分で判断して作業してくれれば、本社で監理している人の仕事は大幅に減るというわけです。 今回はリアルハプティクス搭載の遠隔操作ロボットが的確に力加減を調節できるように、通信の遅れがほとんどない5G通信網と、MEC(Multi-access Edge Computing)と呼ばれる情報を分散して作業現場近くのコンピュータに貯めておく技術を使って実現しました。この技術は、工場や倉庫などの他、レストランの給仕ロボットや遠隔手術などの医療にまで応用されていくだろうと考えられます。
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