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文/保谷彰彦
人類によって滅ぼされた鳥類は数多く記録されています。それらは、狩猟など人間活動が直接的な引き金になった絶滅であったり、土地の開発や外来種の侵入など人間活動が間接的に影響した絶滅だったりします。一方で、実際の絶滅数はもっと多いと予想されています。というのも、鳥の骨は軽くて中空の構造をしているなど、化石として残りにくい特徴があるため、先史時代の鳥類化石がとても少ないのです。そうしたことから、これまでの鳥類の絶滅率に関する研究は、数百年前から現在までに起きた絶滅が中心で、文字による記録のない、先史時代の鳥類の絶滅については、ほとんど調べられていませんでした。
このほど、ヨーテボリ大学(スウェーデン)を中心とする研究グループは、記録のある絶滅鳥類と化石記録のデータを組み合わせて推定することで、後期更新世(12万6000年前)以降、少なくとも1,300~1,500種の鳥類(現生鳥類全体の約12%)が絶滅し、そのうちの55%は未発見(まだ発見されていないか、痕跡が残されていない)であることを明らかにしました。
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