「ぼくの発明きみの工夫」のコーナーの審査にもご協力いただいている一般社団法人発明学会主催、発明家たちの登竜門
「身近なヒント発明展2021」の表彰式が、2021年12月18日に開催。全応募作品数1426点の中から、見事入賞した発明家のみなさんが集いました。
第25回となる今回からは、新たに「アプリ部門」と「こども発明部門」が追加されました。ものづくりや発明に興味のある読者のみなさんにとっては、願ってもないチャンス到来です!
それでは受賞作品の中から、みんなの発明のヒントになりそうなアイデアをいくつか紹介していきましょう。
こども発明部門特別賞を受賞したのは?
大橋陽向
さん(熊本県)が発明した作品は「数学ものさし」。
0を中心にしたものさしで、中学生で習う、正の数・負の数がわかりやすくなっています。さらに、ものさしについたテンプレートを使うと、円柱の図や二次関数のグラフなどがきれいに書けます。
中学生がよく使う内容を1つの定規に一体化してまとめたところがいいですね。ノートもきれいに書けて、数学が苦手な人も好きになりそう!
奥天優衣
さん(北海道)はかわいくて便利なアイデア「ゆいのちょこっとおやつディスペンサー」を発明。
家にいる時間が増えて、ついお菓子を食べすぎてしまうことがひらめきのきっかけ。1日に食べていい量だけカップに入れておき、引っ張るとカップが落ちてきます。
食べる楽しみに加えて、今日はなんのおやつかな~♪と取り出す楽しみも生み出した素敵なアイデアです。
田中輝
さん(滋賀県)が考えたのは「マジカルカバー」という作品。
そのときの気分にあわせてスマホカバーの色、柄、デザインなどを自由に決めて使うことができるというアイデアです。スマホカバーに動画を流したり、海や砂などの自然をモチーフにしたデザインにしたりして楽しめます。
次世代のスマホカバーとして、新しい価値を提供できる可能性を秘めたアイデアが評価されました。
こども発明部門では、以下の7名が特別賞を受賞しました。おめでとうございます!
奥天 優衣(北海道) | 岡安 七斗(東京都) |
岡安 来人(東京都) | 笠島 千寛(茨城県) |
片山 亜利紗(岡山県) | 大橋 陽向(熊本県) |
田中 輝(滋賀県) |
発明学会大賞は「楽々つめかえボトル」
2021年の大賞を受賞したのは、沖縄県の桃原真紀さんが発明した「楽々つめかえボトル」です!
ポンプの押す部分が開閉式のフタになっていて、そこへ注ぐことで、ボトル内部に補充されるしくみを考案。シャンプーなどのつめかえ時に、ノズル部分を取り外すと残った液がたれてまわりが汚れてしまったりします。このしくみがあれば、ノズルの取り外しなしで、かんたんに容器に液を入れることができるのです。
液を注ぎ込むのと、ポンプを使って出すのを同じノズルの中で実現させるために、図面のようなとても複雑なしくみを考え、試作したそうです!
すでに身近なヒント発明展の協賛企業である旭電機化成株式会社から商品化検討オファーが出ており、今後は商品化に向けてブラッシュアップを行っていきます。課題は、メーカーによってノズルのサイズが違うため、1つのノズルではさまざまな容器に対応できないこと。このしくみをメーカー側に使ってもらうことも視野に入れて開発していくそうです。
他にもさまざまなおもしろいアイデアが続々と紹介され、興味深いものばかり。他の受賞作品はこちらのサイトで見ることができますので、ぜひみなさんの発明に役立ててください。
公開契約調印式も同時に開催
今回の「身近なヒント発明展」では、なんと応募された中の62作品が、協賛企業63社の審査を経て商品化検討オファーにつながったのだそう! 商品化され、ヒット商品になると数千万円のロイヤリティも夢ではないというから驚きです。
この日は、そんな商品化の契約まで進んだ作品について、契約書にサインをするところをお披露目する「公開調印式」も開催されました。
自分のアイデアが実際に商品になって、多くの人に使ってもらえるのはすごいことです。ぜひ読者のみなさんも、商品になることまでイメージして、アイデアを練ってみてください。
2022年は子供の科学の「ぼくの発明きみの工夫」とコラボ!
また表彰式では、2022年の「身近なヒント発明展」こども発明部門と、子供の科学の「ぼくの発明きみの工夫」のコーナーがコラボレーションすることも発表されました!
コラボレーションの内容については、コカネットの「ぼくの発明きみの工夫」公式サイトと、「身近なヒント発明展」の公式サイトにて発表しますのでお楽しみに!
取材・文