毎週金曜日更新●連載《偉人さん、いらっしゃ~い‼》第2回 チャールズ・ダーウィン

偉人
いじん
さん、いらっしゃ~い‼》へようこそ。毎回、すてきな偉人さんをゲストに楽しいトークをお
とど
けします。「すべての生き物は同じ祖先
そせん
から生まれ、枝分
えだわ
かれした!」 進化のナゾを
き明かした偉大な自然科学者
しぜんかがくしゃ
といえば、もうわかったかな? レディス&ジェントルマン、われらがダーウィン博士
はくし
をご紹介
しょうかい
しましょう!

チャールズ・ダーウィン博士、いらっしゃ~い‼

チャールズ・ダーウィン(1809-1882年)。イギリスのシュルーズベリで生まれる。22~27歳のとき、ビーグル号に乗りこみ、世界一周航海
せかいいっしゅうこうかい
へ。30歳で『ビーグル号航海記』を出版
しゅっぱん
。49歳のとき、「自然選択
しぜんせんたく
」による進化論
しんかろん
を学会で発表。大論争
だいろんそう


こす。翌年
よくねん
、『
しゅ
起源
きげん
』を出版し、大ベストセラーになる。

─ 子供のころ興味
きょうみ
があったものは?

 趣味
しゅみ
はいろいろなもののコレクション。切手、石ころ、貝がら、鳥の
たまご
昆虫
こんちゅう
……何でも集めて観察
かんさつ
するのが
きだった。学校の勉強はたいくつで、毎日ハンティングに魚つりざんまい。そしてケンブリッジ大学に通っていた22
さい
のとき、船で未知
みち
の世界を旅するチャンスが
おとず
れたのだよ。

─わかった! ビーグル号の大冒険ですね。

 さよう。イギリス海軍
かいぐん
帆船
はんせん

ビーグル号で、いざ世界一周航海
せかいいっしゅうこうかい
へ! 1831年、われわれはイギリスを出発。南米
なんべい
から南太平洋
みなみたいへいよう
の島々、ニュージーランド、オーストラリア、アフリカと回り、5年間さまざまな調査
ちょうさ
を行った。そこでは見るものすべてが
めずら
しく、知らないことだらけ。私はおびただしい数の生き物や化石などを採集
さいしゅう
しては、せっせと国へ送ったものだ。

─有名なガラパゴス諸島
しょとう
って、どんなところなんですか?

 おお、赤道上
せきどうじょう
にうかぶ
あつ
溶岩
ようがん
島々
しまじま

の高いサボテンに奇怪
きかい
なトカゲたち! 私はそこにすむ不思議
ふしぎ
な生き物にすっかり魅了
みりょう
された。そして夢中
むちゅう
標本集
ひょうほんあつ
めをするうちに、ほとんどの生物が大陸
たいりく
にいる
しゅ
とは
ているようで少し
ちが
いがあり、しかも島ごとに種が
こと
なることに気づいた。

─へえ~、それって不思議ですね。

 帰国後 、集めた標本をくわしく調べて研究したすえ、ある考えにたどりついた。すなわち、種はたえず変化する。環境
かんきょう
にもっとも適応
てきおう
したものが生き
のこ
り、新しい種に進化していくのだと。たとえばキリンの祖先に、首の短いものと長いものがいたとしよう。やがて地表の草がなくなったとき、高い木の葉を食べられる首の長い種だけが生き残って、今のキリンになったわけだ。さらに、すべての生き物は共通
きょうつう
の祖先から枝分かれし、今も進化し
つづ
けていると考えた。だが、私はこれらの考えを長いあいだ秘密
ひみつ
にしていたのだ……。

─ええっ、どうしてですか⁉

 19世紀
せいき
のヨーロッパでは、聖書
せいしょ
にあるように、神様が地球上の生き物をつくったと
しん
じられていたからだよ。のちに発表した進化論
しんかろん
は世の中に大きな衝撃
しょうげき

あた
え、私は
はげ
しく非難
ひなん
された。「人間とサルが遠い親せきだとは、けしからん!」というわけさ。だが、地球が宇宙
うちゅう
の中心ではないように、人間もまた生物の中心ではない。やはり偉大
いだい
な真実が
みと
められるまでの道のりは、決して平たんではないのだよ(苦笑
くしょう
)。では諸君
しょくん
、ごきげんよう。

─博士、どうもありがとうございました!

もっと知りたい! 偉人さんエピソードクイズ

最後は、もっと知りたい「偉人さんエピソードクイズ」のコーナー。何問正解できるかな? 挑戦
ちょうせん
してみよう。

Q1
チャールズは最初
さいしょ
にエジンバラ大学、
つぎ
にケンブリッジ大学で学んだよ。最初の大学では何を勉強したのかな?
a 文学
ぶんがく

b 法律
ほうりつ

c 医学
いがく

Q2
ビーグル号で赤道を通過
つうか
するとき、船乗りたちがした“お
いわ
いの儀式
ぎしき
”はどれ?
a 海の水を頭からザブンとかけた
b マストのてっぺんからジャンプ!
c たいまつを持って甲板
かんぱん

おど
った

Q3
ガラパゴスはスペイン語である動物のこと。島の名前の由来
ゆらい
になった動物とは?
a イグアナ 
b ゾウガメ 
c アホウドリ

クイズの答え合わせはこの下をチェック
↓↓↓↓↓↓↓↓





Q1 c 医学
 ダーウィン家はリッチな中産階級
ちゅうさんかいきゅう
で、父ロバートの医業
いぎょう
を手伝うため医学部に入学。でもチャールズは手術
しゅじゅつ
の血を見るのがこわくて
げ出してしまったんだ。そこで次は教会の牧師
ぼくし
になろうとケンブリッジ大学に入ったけど、とくに信仰心
しんこうしん
が強かったわけじゃない。ホンネは「牧師なら博物学
はくぶつがく
研究
けんきゅう
をする時間がたっぷりありそう」だった。ちなみに大学の成績
せいせき
は中の上。聖書
せいしょ
より昆虫採集に夢中だったそうだよ。

Q2 a 海の水を頭からザブンとかけた
 ビーグル号の目的
もくてき
は、世界地図をつくるために現地
げんち
測量
そくりょう
をすることだった。チャールズは帰国後、5年間の博物調査
はくぶつちょうさ
をもとに、地質学
ちしつがく
や動物学の本を何冊
なんさつ
も書いたよ。だけど、航海の最初のうちはひどい船酔
ふなよ
いで、せまい船室
せんしつ
につるしたハンモックにぐったり。すぐにホームシックにかかっちゃったんだって!

Q3 b ゾウガメ
 ガラパゴスは、エクアドルの本土から
やく
1000km西にある群島
ぐんとう
。スペイン語で「カメ」をさす「ガラパゴ」が名前の由来だ。1835年、チャールズはここを訪れ、島の人から「ゾウガメの甲羅
こうら
模様
もよう
は島ごとに違う」という話を聞いた。また、帰国後に13種類
しゅるい
のフィンチという小さな鳥の標本を調べ、島ごとにくちばしの形が違うことから進化のメカニズムを思いついたといわれる。南米大陸
なんべいたいりく
から
わた
った1つの種が、島の環境に適応して進化していったのではないかと考えたんだ。この「自然選択
しぜんせんたく
」による進化論をとなえた『種の起源』は当時 、大ベストセラーになったんだよ。

 みんな、クイズはどうだったかな? 今回はこれにておしまい! さ~て、来週のゲストは? ノーベル賞を2回受賞したあの方です。お楽しみに!

※本記事は、『子供の科学』2011年6月号掲載の記事を再編集したものです。

戸村悦子 著者の記事一覧

フリーライター。『子供の科学』をはじめ児童教育や科学分野、趣味の雑誌・専門書籍を中心に取材・執筆を行う。

(イラスト/ほりみき)

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