今月から毎週お届けする新連載《偉人
さん、いらっしゃ~い!!》へようこそ。早速だけど、「相対性理論
」って知ってる? 最初のゲストは、それを考えた超
スゴい人、有名なアインシュタイン博士
だ。ノーベル物理学賞
を受賞した世紀
の天才科学者、そのモジャモジャ頭(失礼
!)の中はどーなってるの?
アルベルト・アインシュタイン博士、いらっしゃ~い‼
─「相対性理論」って、なんか超難
しそうなんですけど。
まあ、理解
してる人は世の中に7人しかいないから……(笑)。たとえば、走っている電車を立ち止まって見ると、目の前を走り去っていく。でも自動車に乗って同じ方向、同じ速度で走ったら、電車は止まって見えるよね。こんなふうに時間も空間も、ニュートンのいう絶対に変わらないものではなく、観察
する人の視点
によって変わる(相対的
)と考えたのさ。
─どこからそんな発想が?
16歳
のころ、ふと思ったんだ。「光の矢に乗って光を追いかけたら、それはどう見える?」。光と同じ速度で追いかけたら、光は止まって見えるはず。だけど光が止まる=振動
しない、はありえない。これを僕
の得意な “思考実験
”、つまり頭の中で架空
の実験をして考えていたら、ある朝突然
ひらめいたんだ。時間も空間も伸
びたり縮
んだりする!
これが26歳のとき書いた「特殊相対性理論
」のもとだね。
─物理の常識
をひっくり返したんですね。
10年後に、これをさらに発展
させた「一般相対性理論
」を発表したら、科学界で大論争
になっちゃって。結局
、僕の理論の正しさが証明
されたけど、ノーベル賞はこれじゃなくて、ずっと前の光に関する研究で受賞。キミも賞が欲しかったら、難解
すぎる論文
はやめたほうがいいよ(笑)。
─ひえ~やっぱり超スゴい人なんだ!
いやいや、僕には特別
な才能
なんてない。ものすごく好奇心
が強いだけなんだ。大切なのは疑問
をもち続けること。なぜ空は青いのか、なぜ方位磁石
はいつも北を指すのか。子供のころから僕の頭の中は自然の「なぜ?」でいっぱいだったけど、きっとみんなもそうだよね?
─ところで、博士は日本にも来たことがあるんですよね。
1922年に講演
に招
かれて、美しい伝統
文化に感動したよ。そんなワンダフルな国に原子爆弾
が落とされ、それに僕の考えた方程式
E=mc2が使われたなんて、ものすごくショックで悲しくて……僕は友人のDr.ユカワ(湯川秀樹
博士)らと核兵器
の廃絶
を求める「ラッセル・アインシュタイン宣言」
にサインして、その7日後に天国へと旅立だったさ。Good bye!
─博士、どうもありがとうございました!
もっと知りたい! 偉人さんエピソードクイズ
最後は、もっと知りたい「偉人さんエピソードクイズ」のコーナー。何問正解できるかな? 挑戦
してみよう。
Q1
大学を卒業
したあと、アルベルトがついた仕事はなに?
a 公務員
b 新聞記者
c 車のセールスマン
Q2
研究に熱中
するあまり、料理
する時間を惜
しんでやったことは?
a 生のジャガイモを皮つきのまま食べた
b 肉を焼
かずに手づかみで食べた
c ゆで卵
をカラごとバリバリ食べた
Q3
日本に来たとき、飛び入り参加した伝統的なイベントはどれ?
a すもう大会
b もちつき
c ぼんおどり
クイズの答え合わせはこの下をチェック
↓↓↓↓↓↓↓↓
Q1 a 公務員
スイスの名門工科大学を卒業後 、ベルン市特許局
の審査官
になったアルベルト。昼間は役所で働
きながら研究を続け、1905年、26歳のときに「光量子仮説
と光電効果
」(1921年度ノーベル物理学賞)、「ブラウン運動理論」「特殊相対性理論」など、重要
な論文を次々に発表した。これらはみな現代
物理学の基礎
となったもので、1905年は“奇跡
の年”って呼
ばれているんだ。
でも、当時のアルベルトは博士号
すらない、まったく無名
の青年で、論文の内容
もそれまでの物理の定説
からかけ離
れたものだったから、はじめはまったく注目されなかったんだって。……ていうか、みんな理解不可能
?
Q2 c ゆで卵をカラごとバリバリ食べた
研究中はものすごい集中力で、寝るのを忘れることもしばしば。料理の手間さえ惜
しんで、スープの中に卵をドボン。できあがったゆで卵を、カラごとバリバリ食べちゃった! やっぱりあとでお腹が痛くなったけど、ガマンしてまた研究を続けたとか。天才恐るべし。
Q3 b もちつき
訪問
先でたまたま目にした正月のもちつきに興味津々
。鉢巻
きをしめ、かけ声をかけながらキネをふるったそうだよ。とっても気さくで、ジョークが大好きな博士は日本でも人気者もの。行く先々で熱
れつな歓迎
を受けたっていうから、ハリウッドスターもびっくり! ?
みんな、クイズはどうだったかな? 今回はこれにておしまい! さ~て、来週のゲストは? 超有名な自然科学者のあの方の予定です。お楽しみに!
※本記事は、『子供の科学』2011年5月号掲載の記事を再編集したものです。
文
(イラスト/ほりみき)