飼い主にしかられているイヌを観察していると、あくびをすることがあります。しかられているのに、あくびをするなんて、ぜんぜん反省していないんだなあ…と思うかもしれません。
しかし、あくびをしたからといって、反省していないわけでも、飼い主をバカにしているわけでもなく、「劣位行動
」と呼ばれる行動の一つだと考えられています。
この劣位行動には、出くわした相手に対して「どうぞどうぞ」と道をゆずる意味があり、それによってとりあえずケンカになることを避けようとしているのです。
こうした行動には、あくびのほか、自分の口や鼻をなめる、顔や視線をそらす、頭を振る、背中を見せるなどの行動が知られています。
イヌが劣位行動をとるようになったのは、群れの中で必要以上の争いを起こさないようにするためだと考えられています。最初はちょっとした争いでも、エスカレートすると殺し合いになりかねません。そこで、劣位行動によって「ケンカをするつもりはないよ」を伝えているのです。
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