イヌが飼い主の顔をしきりになめようとすることがあります。これは、イヌがオオカミだったころから受け継がれてきた行動だと考えられています。
肉食動物のオオカミは狩りに出て、獲物を捕らえてエサにします。しかし、小さな子どもは狩りができないので、狩りからもどってきた親に食べ物をねだります。おなかをすかせた子どもが親の顔をさかんになめると、親は飲みこんでいた獲物をはき出して与えます。つまり、オオカミの子どもにとって親の顔をなめるのは、親に甘えて、食べ物をおねだりしようとする行動なのです。
現在のイヌが飼い主の顔をなめようとするのは、オオカミと違って食べ物を求める行動ではなくなっていますが、甘えようとしているのは同じです。飼い主のきげんを取ろうとしているのかもしれません。
子供の科学2021年10月号特集14ページのコラムでも紹介した感染症のことを考えると、激しくなめさせるのはあまりおすすめできませんが、イヌが飼い主をなめようとするのは親愛の情のあらわれです。軽く顔をなめさせたら、いっしょに遊んであげるといいでしょう。
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