「空を自由に飛んでみたい!」と思ったことはあるかな?
鳥のようにスーッと飛べたら、気持ちがいいし便利だし、何よりすっごく楽しそうだよね!子供の科学2021年9月号「空飛ぶ未来の乗り物」特集に登場したメディアアーティストの八谷和彦
さんは、人気アニメ映画『風の谷のナウシカ』に出てくる「メーヴェ」という乗り物を実際につくってしまったツワモノだ。
その彼が夢中になっているのが、海外で空飛ぶ乗り物をつくっている人たちの動画。「こういった動画を見ていると、“自分でもつくれるかも?”と思えてくるよ」と八谷さん。 おすすめの動画を紹介してもらったので、ぜひチェックして鳥の気分を味わってみて!
両手の小型エンジンでモルディブ島を遊覧
イギリスのグラビティ・インダストリー社が開発した空飛ぶジェットスーツの動画。両手に付いた超小型ジェットエンジンで空を飛びます。エンジンの向きを変えることで、飛行方向も速度も自由に変えることが可能。こんなことができるようになったのは、小型軽量で高出力のジェットエンジンが作れるようになったからです。ただし操縦は難しいようで、訓練が必要だそう。ジェットスーツは山や海で遭難した人の救助などにも役立ちます。
海の上をジェットスーツでひとっ飛び!
アメリカ・カリフォルニアにあるジェットパック・アビエーション社も、ジェットスーツを開発しています。一般向けに操縦のための訓練講習も実施しているので、参加してみたいですよね! ただし、訓練費用は少し高めのようです。
このほか、一人乗りの空飛ぶバイク「スピーダー」というものも開発しています。4基のジェットエンジンを搭載し、最高時速240km、飛行高度4500mくらいまで飛べるそう。なんと、富士山よりも高く飛べるんです!
超高速! 飛行機のような翼を持ったジェットマン
人間が背中に翼を背負ったようなスタイルで、垂直にホバリングしたり、水平にして高速飛行したりしています。ジェットエンジンは左右に2基ずつ合計4基ついています。
2020年2月に中東ドバイで行われた展示飛行では、8秒で高度100m、30秒で1000mに達し、速度約240kmで飛んだそうです。動画を見るとまるでロケットのように急上昇しているのがわかるでしょう。超小型ジェットエンジンのパワーはすごいですね! 最後は上空でパラシュートを開いて無事に着地しました。
見た目がカッコイイ! 空飛ぶサーフボード
フランキー・ザパタというフランス人が発明した、空飛ぶ乗り物の動画です。ジェットエンジンがついた小型の「踏み台」みたいなものに乗って、立ったまま飛行できます。まるで『西遊記』やマンガ『ドラゴンボール』に出てくる“キントウン”のようです。アニメやおとぎ話の世界が現実になってきたのですね。
バスタブで空を飛ぶ!?
一瞬、「ホントかな?」と目を疑うような動画です。なんとバスタブをドローンに改造して空を飛んでいます。小型のバスタブにドローンのように6個のプロペラを取りつけ、自宅の庭から飛びあがって近所のパン屋さんにパンを買いに行くドイツの動画です。日本でも人が乗れるようなドローンは開発が進んでいますが、安全のための規制を守らなくてはならず、バスタブで飛ぶのはNGでしょう。
自作のホバークラフトバイク
前後2個のプロペラを使って地面スレスレの低高度をバイクのように飛ぶホバークラフトバイクの動画です。自転車の車輪を横に倒して取り付けたような形がおもしろい! ただし、風の影響を受けて車体がフラフラしているので操縦は難しそう。
中国の空飛ぶクルマ
「子供の科学」2021年9月号でも紹介している、中国のメーカーによる空飛ぶクルマの動画。この動画は2021年2月に中国南部の海上で行われた試験飛行の様子です。中国はドローンの先進国だけあって、空飛ぶクルマの開発も早いようです。
8個のプロペラがついていて、安定した飛行を披露しています。近い将来、このような小型の空飛ぶクルマが安全に、安い費用で飛べるようになってほしいものです。
取材・文