生きもの好きのみんなにビッグニュースだ!
NHKで放送されている「ダーウィンが来た!」の映画化第3弾「驚き!海の生きもの超伝説」が、2021年6月11日(金)に全国のユナイテッド・シネマ他で公開されることが決まったんだ。番組取材班が長年撮りためた膨大な映像の中から厳選した約60種の生きものたちを紹介しているというんだから、この映画は見逃せないね。
今回は映画公開を記念して、ナレーションを担当したさかなクンに、映画の見どころや登場する海の生きものたちについて語ってもらったぞ!
―― さかなクンがナレーションを担当した映画『驚き!海の生きもの超伝説 劇場版 ダーウィンが来た!』が公開されます。まずは見どころを教えてください。
全て!見どころでギョざいます。お魚も驚きがいっぱい!夜のサンゴ礁
では、ソウシハギちゃん(カワハギ科)が、ネムリブカちゃん(メジロザメ科)に集団で襲われる様子がギョ紹介されています。このシーンだけを見ると、「ソウシハギちゃんがかわいそう」、「サメは恐ろしい生きものだ!!」と思われるかもしれません。
でも、ネブリブカちゃんはその名が示す通り、昼間はサンゴ礁でのんびり眠っていて、サメの仲間の中ではおとなしいんです。ただ、1mを超える大きな体を維持するには、たくさん食べて栄養をとらなければなりませんから、夜にはお魚やさまざまな海の生きものを食べるのです。食べることは生きものにとって必要なこと。決して残酷な生きものというわけではないのでギョざいます。
―― 映画の中では、ネムリブカにソウシハギが食べられるシーンの後、ハゲブダイが天敵から巧みに身を守る生態が登場して、とてもおもしろかったです。
ハゲブダイちゃんは夜、眠るときに自ら分泌
してつくる粘液
の寝袋に入って、寄生虫から体を守ります。また、自分の匂いが広がるのを抑えて外敵に気づかれないようにします。
これはとーっても興味深い生態で、「ハゲブダイちゃんってすギョい!」という気持ちになりますが、生きものそれぞれに固有の特徴があるので、ハゲブダイちゃんもソウシハギちゃんもネムリブカちゃんも、映画に出てくる生きものはみんなすギョいのです!!
ネムリブカちゃんがソウシハギちゃんを食べる様子が収められた映像もとても貴重です! さかなクンも海に潜
るのが大好きで、「ダーウィンが来た!」の制作スタッフの皆さまと何度も潜らせていただいていますが、生きものたちの捕食や繁殖の様子はなかなか目撃できるものではありません。
―― 繁殖期に海に潜れば、生きものたちが繁殖のための行動を見せてくれるものではないのですか?
繁殖期になれば、生きものそれぞれが繁殖行動をとりますが、実際に目撃するのはなかなか難しいのでギョざいますよー!
映画では、奄美大島
の砂地の海底にミステリーサークルをつくるアマミホシゾラフグちゃんの映像がギョ紹介されています。
うまく天候や海候、時期があえば、海底につくられたミステリーサークルを見ることはできますが、実際に小さなフグちゃんが一生懸命につくっている様子を目撃できたらすギョくラッキー♫ 「ダーウィンが来た!」のスタッフの皆さまのていねいで粘り強い撮影の賜物
でギョざいます。
―― 生きものたちの決定的な瞬間を目撃するのは簡単なことではないのですね。
はい♫ 一瞬一瞬でギョざいますので! トビハゼちゃんの恋は、ものすギョ~く情熱と愛が伝わります。
潮が引くと陸地になる干潟
に生息するトビハゼちゃんは、繁殖期になると雄
たちが雌
をお招きする巣穴
をつくって、元気いっぱいに何度もジャンプして雌の気をひこうと頑張るんです。できるだけ目立とうと懸命に! さかなクンも知らなかったのですが、雌が来てくれたときに、雄がまるでキスをするように雌の頬
に口を当てるんです。もう、可愛くてキュンとしますね。
お魚というと本能のままに行動しているように思われがちですが、トビハゼちゃんのひとつひとつの行動を見ていると、頑張ったり喜んだり、感謝する気持ちが伝わり、私たちと同じなんだー!と感動します。
―― あのトビハゼは雄と雌で色が違いましたね?
そうなんです!魚類には繁殖期になると雄が目立つ派手な色に変化する種類が多くいます。これは婚姻色
といって、パートナーとなる雌に対して気をひいてもらうためのもの。
トビハゼちゃんの雄がピンク色になっているのも婚姻色。空からの天敵、鳥さんたちに気づかれてしまうリスクもあります。映画の中では婚姻色について詳しくは説明していないんです。「あれ? 色が違うけどなんで?」と思うかもしれませんが、こんな気持ちもとっても大切です。調べてみよう!干潟や水族館に実際に見に行ってみよう!毎週の「ダーウィンが来た!」を見よう! と次につながります♫
―― 海の生きものでは魚類のほかに、軟体動物
や甲殻類
などもいます。そうした生きものたちの貴重な映像も紹介されているのですか?
はい♫ もっちろんでギョざいます。さかなクンがタコちゃんに夢中になってから海の生きものがどんどん大好きになったことは、以前に子供の科学さまでもお話させていただきました(『子供の科学』2017年1月号参照。プレミアム会員ならバックナンバーを読むことができます)。
映画に出てくる生きもののシーンはどれも貴重なんですが、メジロダコちゃんのシーンもとっても貴重な光景です。
タコちゃんやイカちゃんの仲間は大昔、体を守るための貝殻
を持っていました。イカちゃんは体の中に甲や「イカの骨」と呼ばれる貝殻を持っていますが、タコちゃんの仲間のほとんどは貝殻が退化してしまって、柔らかい体をむき出しにしています。そのため外敵に見つからないように、周囲の風景にあわせて体の色を変えたり、柔軟な体を活かして岩やサンゴの隙間
に隠れたりしています。
映画にギョ出演のメジロダコちゃんは、ギョギョッとびっくり。陶器製のツボと、それにフタをできるサイズの貝殻をいつも抱えていて、外敵が近づいてきたら、ツボに入って貝殻でフタをしてしまうんです。メジロダコちゃんは英語で「ココナッツ・オクトパス」と呼ばれていて、ココナッツの実を持ち歩いて外敵から身を守っているからそう名前がついたのですが、自然の物も人工物も巧みに利用して生きる。道具を使うのは、人やお猿さんやラッコちゃんたちだけではないということにびっくりでギョざいますね。周囲にあるものを巧みに利用して生きているメジロダコちゃんのたくましさを映画から感じてもらいたいです!
【後編に続く】
「驚き!海の生きもの超伝説 劇場版ダーウィンが来た!」を見に行こう!
さかなクンのお話に登場した海の生きものたちの驚きの映像は、ぜひ映画館でおたのしみください!
NHKの人気自然番組「ダーウィンが来た!」の取材班が情熱を注いできた「海」の映像と、NHKアーカイブの中から厳選した映像で、ダイナミックかつ神秘的な海と共に生きるたくましい生きものたちの姿を、た〜っぷりギョ紹介しています。
■ナレーター:水瀬いのり
■出演・ナレーター:さかなクン
■ヒゲじい:龍田直樹
■監督:田所勇樹
■制作:NHKエンタープライズ
■映像提供:NHK
■製作・配給:ユナイテッド・シネマ
公式HP:https://umi-darwin.com/
公式 twitter:@umi_darwin
2021年6月11日(金)よりユナイテッド・シネマ他全国ロードショー!
取材・文
(さかなクン撮影/青柳敏史)