みなさん、こんにちは! 「NEST LAB
」の木村です。
コカネットでスタートした「地球を救う技術に挑む!研救者列伝」。この連載では、地球を救う課題解決にチャレンジしている日本の大学や企業の研究者を、「研“救”者
」として紹介していきます。研救者が挑む技術は、どれも情熱やアイデアにあふれる一味違うもの。みなさんきっと驚くはずです!
また、このコーナーは「インタビュー編」と「実験・工作編」に分かれます。インタビュー編で研救者の技術を知った後に、それに関係する科学の原理やしくみを「実験・工作編」で体験してみてください。そしてぜひあなた自身が、次の「研救者」を目指してほしいと思います!
この記事はfile.1の実験・工作編です。インタビュー編をまだ読んでいない人は以下へどうぞ。
【研救者列伝file.1】台風を電気に!? 風力発電に革命を起こす
★5月23日(日)にはコーナー連動のワークショップを開催します!
詳しくはコチラ
マグナスカップをつくろう
インタビュー編で解説したマグナス力を、身近なものを使って体験してみましょう。
使うのは、紙コップ2つと輪ゴム4本、それから粘着テープ(ガムテープや養生テープなど)だけ。
紙コップを2つ組み合わせた円筒を輪ゴムでぐるぐるまいて、回転させながら飛ばすと、マグナス力が働いてカーブしながら飛んでいきます!
人に当てないように気をつけながら、お家で挑戦してみてください。
手順
①カップの底を合わせてテープで固定します。
②輪ゴムを4つつなげて長いゴムにします。
これで装置は出来上がりです。
③2つのカップをテープでつなげた部分(中心)に、②でつくった輪ゴムを軽くぐるぐる巻きます(どちら巻きでも構いません)。
これで準備完了!
マグナスカップを飛ばしてみよう!
カップを持っている手を離すとカップが飛んでいきます。
どんなふうに飛んだでしょうか?
マグナス効果のしくみ
マグナス効果とは、風の中に回転する円筒や球を置いたときに、流れの方向に対して垂直方向の力が発生する現象です。回転をかけることでなぜ力が発生するのか、見ていきましょう。
マグナスカップを横から見たときの図です。左から右に風が流れていることを表しています。
回転し始めると周りの空気が引っ張られ、空気の流れるスピードが上がったり下がったりします。スピードが上がると、空気が早く去っていくので、空気が薄いところが生まれます。スピードが下がっているところではその逆に、空気が濃くなります。 空気の密度が大きくなると圧力が大きくなり、空気の密度が小さくなると圧力が小さくなります。
圧力(密度)に差があると、それを均一に戻そうとする力が働きます。つまり、空気が濃いところから薄いところに向かって力が生まれ、マグナスカップがふわっと浮かびます。回転方法を逆にすると、ストンと下に落ちてしまいます。これが、空気が濃い方から空気が薄い方に力が働くマグナス効果です。
このマグナス効果をイメージしながら、いろいろな回転をかけてマグナスカップを飛ばしてみてください。
また、マグナスカップのつくり方や動画が、経済産業省が学校むけの教材として公開している「未来の教室STEAM Library」の「ハッケンLENS」にあります。下記サイトの「動画2」や学習者用テキストも参考にしてみましょう。
https://www.steam-library.go.jp/lecture/205
5月23日(日)にNEST LABと子供の科学がワークショップを開催するよ!
今回の「研救者列伝」では「風」の技術を学びましたが、5月23日(日)には、さらに風への理解を深めてもらうオンラインワークショップを開催します!
ワークショップは「ライフサイエンス」と「ものづくり」の2教室があります。
10:00からのライフサイエンス教室では、風の力を使って子孫を増やす植物のしくみを「種ヒコーキ」をつくって調べてみます。
13:00からのものづくり教室では、発泡スチロールを使った風の力の工作「オリジナルホバークラフトづくり」。
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