スポーツの経験が、子供を大きく成長させることは、多くのお父さん、お母さんがイメージしていることです。
体をめいっぱい動かすことで、健康でたくましくなる。厳しい練習に取り組むことで、努力や忍耐、継続する力がつく。
チームで行動することで、コミュニケーション力がつく。
単に体を強くするだけでなく、 勉強に取り組む力や、たくましく将来を切り拓いていく力を養ってくれます。
子供にスポーツをさせることの効力をあげればキリがありません。
ところが、すべてのご家庭でうまくいくかというと、残念ながらそうなっていないのです。
そもそも子供が運動嫌い、運動オンチというケースも多いですし、せっかく始めたスポーツも長続きしない、チームを指導する先生とうまくいかない、部活動には一生懸命だけど勉強してくれない、チームメイトとギクシャクしている、などなど…悩みを抱えることのほうが多いことでしょう。
また、日本のスポーツ教育の現場はいま危機を迎えています。
体罰の問題が大きくクローズアップされ、勝利至上主義による指導の方法が見直されているところです。
これまで多くのスポーツで厳しく叱って教えこむ指導が行われていましたが、上から押さえ込んで従わせることが子供をのびのび成長させることにつながるはずがありません。
本書は、東大でスポーツ科学を研究し、多くのアスリートや学生を見てきたフカシロ先生が、強く叱ったり、無理な要求を押し付けることなく、子供がワクワクしながら、自分からやってたくましく成長していくスポーツ子育て術をレクチャーするものです。
運動が苦手という子も、スポーツ科学のノウハウを取り入れれば、自然と体を動かすことが上手くなります。
理にかなった体の使い方やトレーニングは、子供の脳や神経をぐんぐん活性化させます。
厳しい練習も自分から積極的に取り組めば、心をどんどんたくましくしていくでしょう。
まずはお父さんお母さんがご家庭で、スポーツを通した子育てを実践できるよう、親子でできる運動や悩んでいる子供への言葉かけなどを具体的に紹介しました。
小学生の子供と両親が悩みながら成長していくストーリーを追いながら、実際の悩みに対してフカシロ先生がアドバイスをするので、「そうそう」と共感しながらすらすら読んでいけます。
- ページ数
- 192ページ
- 価格
- 1,430円(税込)
- ISBN
- 978-4-416-71306-8
目次
はじめに
登場する親子のプロフィール
1章 身体の基礎脳力編
走る力 すべてのスポーツの基礎になる
リビングワーク1 おしり歩き 体幹の感覚をつかむ
リビングワーク2 背面ワニ這い 体幹を活性化する
リビングワーク3 足でタオル開閉 股関節を活性化させる
投げる力 身体を使った遊びがうまくなる
リビングワーク4 コースターめんこ 全力で投げる感覚をつかむ
リビングワーク5 壁ボール投げ 相手に投げる練習
競う力 「勝ちたい」という気持ちの基礎をつくる
リビングワーク6 バランスくずし 相手との駆け引きを体感する
リビングワーク7 閉眼片脚立ち バランスと集中力を養う
リビングワーク8 イス取りゲーム 一瞬の勝負で敏捷性を養う
ゴールデンエイジ 5~10歳の時期にぐんぐん伸びる
スキンシップ 身体を通して会話する
公園ワーク1 すもう スキンシップと全身運動
公園ワーク2 石けり スポーツクラブに入る前に1
公園ワーク3 影踏み スポーツクラブに入る前に2
column1 子どもの神経系の発達とスポーツ
2章 文武両道の脳力編
集中力 「集中しろ」では集中できない
集中力ワーク1 ジンクスをつくる
集中力ワーク2 軽い運動をする
応用力 一度できたら回路がつながる
持続力 「続ける」ことのほんとうの意味
科学する力 探究する心をつくる
自主性 認められていると自分からやる
調整力 修正しながら進む強さが身につく
練習力 伸び悩んだときが飛躍のチャンス!
リラックス力 身体を使って緊張をコントロールする
ストレス軽減ワーク1 肩を使ってリラックスする
ストレス軽減ワーク2 呼吸を使ってリラックスする
本番力 プレッシャーをはねのける
本気力 「夢」を持って物事に取り組む
column2 運動が受験勉強にいいって本当?
3章 コミュニケーション脳力編
聞く力
伝える力
思いやり
リーダーシップ
究極のシチュエーション
column3 よい指導者とどう出会うか?
親のスポーツ子育て力チェック