●つくった卵化石がどんな恐竜のものか確認しよう!
9月のミッションは、「4種類の恐竜の卵化石を型紙から切り出してみよう」という内容だったね。みんなつくってくれたかな? ここでは、その4種類の卵化石が、それぞれどんな恐竜の卵化石なのかをクイズ形式で紹介するよ。田中先生の解説を読んで、卵化石に詳しくなっちゃおう!
問題.この卵化石はどんな恐竜のもの?
答え.シチパチの卵
シチパチはオヴィラプトルのなかまの小型恐竜。卵をドーナツのように円形に並べ、親は巣の中心に座り、鳥のように卵を温めていたことがわかっています。卵を温めた状態の親の化石がモンゴルから見つかっています。生きていたときは、卵の殻はアボカドのような緑色だったといわれています。
問題.この卵化石はどんな恐竜のもの?
答え.ティタノサウルス類の卵
ティタノサウルス類は首が長くて体が大きな竜脚類に属する恐竜のグループ。卵の中から赤ちゃんの化石が見つかっているけれど、ティタノサウルス類のどの種の恐竜かは特定されていません。丸くて、親の体のわりに小さな卵を産むのがとくちょう。むれで巣をつくり、卵を地面の中に埋めていたと考えられます。
問題.この卵化石はどんな恐竜のもの?
答え.ヒメウーリサスの卵
ヒメウーリサスは卵に付けられた学名で、卵を産んだ恐竜はまだ見つかっていません。とても小さな羽毛恐竜(獣脚類)が産んだと考えられています。兵庫県丹波市から見つかりました。世界最小級の恐竜類卵化石で、ウズラの卵ほどしかありません。小さいけれど、シチパチの卵のように細長い形をしています。体のわりに大きな卵を産むために、細長くなったと考えられます。
問題.この卵化石はどんな恐竜のもの?
答え.マイアサウラの卵
アメリカで、むれで巣作りをしていたハドロサウルス類恐竜の卵化石。赤ちゃん化石も見つかっています。卵の殻の表面にはメロンのようにうねうねとした模様がありました。巣の中で、親が赤ちゃんにエサをあげたり守ったり、子育てしていたと考える学者もいます。マイアサウラはワニの巣のように、卵を巣の素材の中に埋めていたので、私はマイアサウラが巣にとどまって子育てしていたとは思えません。
●みんなの投稿&先生からのコメントを見てみよう!
卵化石をつくったら、卵の並べ方を考えたり、色を塗ったり、卵の中の赤ちゃんの様子を描いてもらったりしました。みんなが報告してくれたミッションシートを田中康平先生に見てもらい、コメントをもらったよ! みなさんの力作をぜひご覧ください!
★渡辺 文さん(小3)
4.5×2.5cmなんていう小さな恐竜の卵があるなんて知らなかったので、びっくりしました。小さいのからだいぶ大きな赤ちゃんが生まれるんだなと思いました。卵といえばだ円をイメージするので、まん丸のものもあってびっくりしました。
●田中先生からのコメント
昨年に続いて今年も応募してくれてありがとう。とてもきれいな色ともようで巣を作ってくれました。今にも赤ちゃんが生まれて出てきそうですね。
★毛利 ゆみさん(中1)
今まで恐竜には興味があったけど卵について考えたことがなかったので、実物大の恐竜の卵化石をつくってみて、その小ささなど不思議に思うことがたくさん出てきて、理由を調べてみると面白くて、恐竜についてもっともっと知りたくなりました!
●田中先生からのコメント
いろいろな模様で卵に色を塗ってくれましたね。すばらしい想像力です。こんなにカラフルな卵化石があったら、ぜひ見つけてみたいなと思いました。
★計良 大介さん(小4)
卵の種類ってどうやって分かるんだろうって思いました。
●田中先生からのコメント
卵の形や大きさから、どの恐竜が産んだのか想像してくれました。卵の作品はとてもリアルに描けています。恐竜の卵で、卵焼きをつくってみたいね!どんな味がするんだろう。昨年に続いて今年も応募してくれてありがとう。
★ 高下 楓大さん(小2)
楽しかったです。また、恐竜ミッションをやりたいです。
●田中先生より
昨年に続いて今年も応募してくれてありがとう。なんと、立体的に卵をつくってくれました! とても上手にできていて、感心しました! 形も大きさもバッチリです。卵の中の赤ちゃんのイラストもかわいらしいです。
★大久保 光さん(小6)
卵のことについて調べるうちに、いろいろな形があることが分かり、恐竜の形によって、決まるのではないかと考えました。
●田中先生より
おりがみで、親がヒメウーリサスの卵を抱卵している様子をつくってくれました。とても上手ですね。卵がドーナツのように並べられているところもバッチリ。親は「早くふ化しないかなあ」と思っているのかな。
★岩切 咲綾さん(小4)
卵を並べたりするのが楽しかったです。(上に乗っている恐竜はおかあさんです)
●田中先生より
しっかりとミッションに取り組んでくれました。「大きい恐竜でもいがいとたまごは小さいと思った」とコメントしてくれたけれど、まさにその通りで、恐竜の卵は体のわりにとても小さいんです。なぜそうなのか考えてみると、新しい発見があるかも。
★櫻井 陽人さん(小5)
足跡の時もそうだったけど、同じ恐竜類なのに様々な卵のサイズや形があってとてもビックリした。歯の化石や爪の化石がどうなっているのかも調べてみたい。
●田中先生より
段ボールで上手に卵や巣をつくってくれました。赤ちゃんのイラストもスバらしい!体を丸めて、卵の中で成長している様子がよくわかります。歯や爪も恐竜によって形が違うのかな。ぜひ調べてみてください!
●卵化石やお仕事について田中康平先生に質問!
Q 恐竜の卵はやわらかくて、革みたいだったと読みました。私は鶏の卵をお酢につけて殻を溶かして酢卵をつくったことがあります。ぷにょぷにょしていました。恐竜の卵も酢卵のようになやわらかさだったのでしょうか?
恐竜にはやわらかに卵を産む種類(プロトケラトプスやムスサウルス)と硬い卵を産む種類(シチパチやマイアサウラ)がいたことがわかっています。硬い卵は酸に弱いので、お酢につけたら、ニワトリのぷよぷよ卵みたいになったと思いますよ。
Q 恐竜の卵に、色があるのはなぜですか?
色はとても重要な役割があるよ。敵から見つからないように、カモフラージュのためというのが大きな理由です。でも、卵を地面に埋める恐竜はカモフラージュする必要がないので、白い卵でした。
Q 何で卵にも様々なサイズ、形があるのか不思議です。教えてもらえると嬉しいです。
恐竜の卵の大きさや形に違いがあるのは、それぞれの恐竜で巣作りや子育ての方法が違っていたからです。例えば、ヒメウーリサスの卵は小さくて細長いけれど、これは小さな恐竜が体のわりに大きな卵を産むために、細長く、少しでも大きくしようとした結果だと考えられています。反対に、マイアサウラやティタノサウルス類の卵は丸に近くて、体のわりにとても小さな卵でした。
Q 田中先生が好きな恐竜に関する施設(博物館など)を教えてもらいたいです。
たくさんあるけれど、(質問をしてくれた方が在住している)岡山県だったら、岡山理科大学の恐竜学博物館がおすすめだよ。県外だったら、熊本県の御舟町恐竜博物館かなあ。
Q 一昨年、小林先生と行かれていたモンゴルの発掘調査の番組を拝見しました。新しい発見はありましたか?
今年は、私はモンゴルには行けませんでしたが、小林先生と一緒にウズベキスタンという国で恐竜化石を探してきました。たくさんの恐竜化石が見つかりました。またいつか報告したいと思っています。
ミッションカレンダー2024はまだまだ続きます。11月のミッションは「ひっつき虫を集めよう、調べよう!」だ。身近にあるひっつき虫についてちょっと深ボリしてみよう。