【3月のミッション】アニメづくりの疑問を伊藤先生が解決!

「科学ミッションカレンダー2024」の3月のミッション「アニメーションをつくってみよう」で応募してくれたみなさんから、ミッションの報告とともに、質問もいただきました。アニメーションづくりに関するいろいろな質問に、伊藤先生に答えていただきました!

1 アニメーションについて

Q1 作品のアイディアはどのような時に思い浮かんでくるのですか?

 特に決まっていません。浮かんでくるのを待つときもありますし、アタマのなかで絞り出す時もあります。

 スポーツでも音楽でもそうだと思いますが、発想にもトレーニングが必要だと思っています。例えば目の前のものを見て、違う使い方や何かとくっつけるとどうなるか、とかひっくり返したり、見方を変える、そこから考えられることを膨らますなどいろいろとアタマの中で考えています。
 いわばこれが発想のトレーニングで、そこからアイデアが湧くこともありますし、旅行に行って初めて見たものと、自分の記憶を関連付けて浮かぶアイデアもありますしね。

Q2 アニメーションづくりのコツはなんですか?

 放映されている番組や映画作品はキャラクターや世界観、ストーリーがポイントになるかと思いますが、絵が動くという意味ではそれぞれのコマをどうやって描いていくか、になると思います。

 例えばパラパラ漫画であれば、ある程度ストーリーを決めても面白いし、描きながら次のコマで形を変えてみよう、とか楽しみながらつくれるというのもいいですね。驚き盤だと、回転すると初めの絵に戻るわけですから、繰り返す動きを描くと良いかもしれません。コマ撮りであれば、動きを滑らかにしてみよう、テクニックを磨いてみよう、というようなつくるときの意気込みがいわばコツかもしれません。

Q3 他のアニメのつくり方を教えて下さい

 絵が次の瞬間に次の絵になる、という事の繰り返しと考えると、いろいろな手法があると思います。

 透明シートに黒い線があり、そのスキマから見える絵が変わることで動きがわかるスリットアニメ、立体造形物が動くゾートロープ、ストロボライトで瞬間瞬間だけ見せるようにしたり、影絵を入れ替えることで見せたり、回転する鏡で見せたり、いろいろありますので、自分で絵をどうやって瞬間的に差し替えるかということを考えるとオリジナルのアニメーションができるのではないでしょうか?

Q4 AIやフェイクを見抜くにはどうしたらいいですか?

 フェイクもAIもリアルに近づけよう、本物を目指そうとしているので、パッとみたところでは判断つかないかもしれません。しかも、日々技術が進むので、どんどんわかり難くなってきています。

 例えば「こんなところでフェイクであることがわかる」というと、次にはその部分がさらにリアルになっていきます。

 少なくとも「なんかヘンだ」と思ったら疑ってみるのも良いかもしれません。

2 パラパラマンガのつくり方について

Q5 もうちょっと紙の枚数をおさえてパラパラマンガを描くことが出来る方法はありますか?

 パラパラマンガは紙の枚数で動きの滑らかさや、ストーリーの長さが決まります。とはいえ、たくさん同じような絵を描くのは大変な手間ですよね。

 昔のアニメーションはセル画といって透明シートを使っており、例えばあるキャラクターの顔が動かずしゃべるだけなら口のないキャラクターの顔を描いて、その上に口だけ動く絵を重ねることで描く工程を減らしていました。
今ではCGなどでそれぞれの絵を補完し、コマ数を自動的につくってくれるものもあります。

 ただ、手書きの良さはぎくしゃくするのがかえって見ごたえのあるものに仕上がりますので、紙にパラパラマンガを描くのであれば少しづつ時間をかけて「がんばる」のが良いのではないでしょうか。

Q6 パラパラまんがを上手にパラパラする方法はありますか?わたしは紙全体に絵を描いてしまったので、クリップで止める場所を変えてみたり、パラパラする順番を上からか下からか変えてみたりしながら何回もパラパラしました。一度ばら巻いてしまった時には直すのが大変でした。

 パラパラすることを意識して紙に描いていくとよいでしょう。
 最終形態はポケットに入る小さな小さな動画シアターですから、クリップなどでとめる場所は確保し、見せる絵の部分と分けて考えると良いと思います。
 所々にキメポーズのような、大体何枚目にこのポーズというようにストーリーを設計しておくと絵柄の位置なども調整できるかもしれませんね。

3 伊藤先生について

Q7 先生はいつからアニメーションなどが好きになりましたか。

 中学校ぐらいでしょうか。テレビ番組もよく見ましたが、どちらかというと「絵が動く」という部分に興味がありました。
 中学校では映画クラブにいましたし、高校時代にアニメーション研究会をつくり、当時の8ミリカメラを借りて、つくったりもしました。ちょうど「機動戦士ガンダム」が流行ってた時なので、アニメ雑誌もいろいろ創刊されてた時代ということもありますね。

Q8 電子工作をしていて楽しいと思ったときはどんなときですか?

 もともとモノづくりは好きなので、電子工作に限りませんが、なにが自分にとって面白味を感じるのだろう、と考えています。

 少なくとも手順や完成形がわかっているものよりも、こうしたらどうなるんだろう?という完成形が見えない方が楽しいです。もちろん完成しない場合もありますが。

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