●先生の解説を読んでみよう
「ブリストルスケール」の見方
うんちの形は食べたものや体調によって変わり、日によって固くなったり柔らかくなったりします。このように、さまざまに変化するうんちの形を、数字で表す「ブリストルスケール」という基準があります。「ブリストル」とは、うんちが出るときの音……ではなくて、1997年にこの基準を作ったイギリスの「ブリストル大学」に由来しています。
この基準では、便の形は、「固くてコロコロのウサギの糞のような便」から「固形物を含まない液体状の便」まで、全部で7段階に分けられています。
1〜2のような固い便は、あまり好ましくありません。なぜなら、排便時に肛門が傷ついたり、排便しづらくなったりするおそれがあるからです。
一方、6〜7のような水分の多い便も、続くと困ります。肛門の周囲が荒れて、皮膚炎になったりするからです。特に、おむつを履いている高齢者や赤ちゃんの場合は、便がお尻に触れている時間が長いので、お尻の荒れが起こりやすくなります。
固すぎる便が続くときは、便を軟らかくする薬を使い、やわらかすぎる便が続くときは、整腸剤を使ったりすることで、3〜5くらいの固さになるよう調節します。
では、なぜこんなふうに便の固さを数字で表す必要があるのでしょうか?
「ブリストルスケール」を使う理由
それは、「とても固い」「少し固い」「かなりやわらかい」といったあいまいな表現では、便の状態に関する正確な情報が分かりにくくなるからです。誰かにとっては「固い」と思う便でも、他の誰かにとっては、「やわらかい」と感じる便かもしれません。一方、固さを数字で表せば、誰もが「どんな便か」を正しく理解できます。
病院や介護の場では、ブリストルスケールを使うことで、便に関する正確な情報を交換し、患者さんに適切な治療やケアを提供できるのです。
●みんなの投稿&先生のコメントを見てみよう!
※( )内の学年は応募時のものです。
★渡辺 史鳥さん(小4)
うんちにもいろいろな色やカタチがあるんだなぁと感じました。
食べすぎたなぁと思ったあとはお腹が痛くなって、ゆるいうんちが出ました。僕は食べ過ぎたあとはお腹が痛くなることが多いので、なんでそうなるのか調べてみたいと思いました。
●山本先生より
食べたものが胃に入ると、自動的に大腸が動き出す(蠕動運動〈ぜんどううんどう〉をする)しくみがあり、これを「胃結腸反射(いけっちょうはんしゃ)」と呼びます。体内に新たに食べ物が入ってきたときに、それまで大腸にたまっていたものを体外に送り出すことで、体内にスペースをつくるんですね。食べた後にお腹が痛いのは、これによる痛み(蠕動痛)のことが多いんです。
★亀田 悠翔さん(小4)
うんちは毎朝出るけど、毎日同じようなうんちでした。違うものを食べても同じようなうんちが出るのはなぜですか。
●山本先生より
食べたものは胃酸でドロドロに溶かされた後、胃液やすい液、腸液などの消化液に含まれる「酵素」というタンパク質の働きで、目に見えない小さな分子まで粉々に分解されてしまいます。そこに、消化液の1つである「胆汁(たんじゅう)」が混ざると、胆汁に含まれる色素によって便が茶色になるのです。何を食べても便が茶色いのは、胆汁のせいなんですね。
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みなさん、たくさん報告してくれてありがとう!
ミッションカレンダー2023はもう少し続きます!
途中からでも参加できるものなので、興味がわいた人はぜひ今月のミッションからトライして、編集部に報告してくださいね。