子供の科学2024年1月号別冊付録「科学ミッションカレンダー」3月のミッションページ。今月はアニメーションをつくるミッションだ!
アニメーションのつくり方はいろいろあるので、このページで簡単なつくり方を紹介するよ。その方法でつくってもいいし、「ポケデン」などの電子工作を活用してもOKだ。アニメーションの装置ができたら、スマートフォンやデジタルカメラなどの撮影機能で撮影をして、動画ファイルを投稿してね!
1. アニメーションをつくろう
アニメーションは、動かない絵が瞬間瞬間で入れ替わることで動いて見える映像表現だ。主なつくり方は、同じモチーフ(キャラクターや図形など)が変化する様を1コマ1コマ描き、連続して表示するようにする。絵だけではなく立体物でもつくることができるよ。
ここでは、簡単にできるアニメーションのつくり方を紹介しよう。
●パラパラマンガのつくり方
身近な紙を使ったパラパラマンガは、ノートの端に絵を描いて連続してめくることでできる。ここでは紙を小さなカードにしてクリップで綴じ、一冊の本にする方法を紹介する。これはフリップブックとも呼ばれるよ。
① 用意するもの
・コピー用紙よりも少し厚めの紙(100円ショップで買える名刺サイズのカードで、100枚くらい入ってるものだと切らずに使えるので便利)。大きな紙をカードサイズに切っても良い。
・ダブルクリップ(紙が100枚くらいはさめるもの)
・絵を描くための鉛筆やペンなど
② カード状の紙に絵を描いていく
用意できたカード上の紙に、アニメーションになる絵を描いていこう。同じような絵を何枚も描くので、面倒かなと思うかもしれないけど、絵は多ければ多いほどいろいろな動きができ、ストーリー性も充実していき、おもしろい作品になる。
1つ絵を描いたとき、次に似たような絵を描く場合は、紙を重ねて透かす方法だと描きやすい。今回使う紙は少し厚めなので、そこで、ライトテーブル、トレース台などと呼ばれる、下からの光で紙を透かす道具を使うと描きやすい。そのような道具がない場合は、簡単なのはガラス窓を使って絵を描く方法だ。外からの光で紙を透かすわけだ。
また、全く同じ絵を描くわけではないので、たとえば、動かす絵の大まかな形や、それぞれのパーツの大体の位置がわかれば、そのあとは机で描いてもよい。
③ パラパラマンガの例「ボーニンゲン」
パラパラマンガの例としてつくったのは、最初の動画で紹介した「ボーニンゲン」だ。動きをつくりたいということと、簡単に描けるということでモチーフ(キャラクター)は棒人間にしてみた。
なんとなくのイメージでは画面の端から棒が現れて、棒人間になって動いて飛んでいくシンプルなストーリーだけど、ほんの数秒でも約100枚の絵を描いている。フリップする(絵が変わる)時間が同じだと考えるとスピード感があるところは絵の変化が激しく、ゆっくりなシーンは同じような絵の枚数を多くしている。
絵を描き終わったら、これらのカードをダブルクリップで綴じる。これでカードをめくっていくことで、アニメーションを見ることができる。カードサイズにすることで、ポケットに入れることもでき、持ち歩いていつでも楽しめる。また、クリップで留めているだけなので、すぐに外すこともできる。あとで描き加えたり、色を塗ったりすることも簡単だ。手軽につくるにはおすすめの組み合わせだ。
●驚き盤のつくり方
驚き盤(フェナキスティスコープ)は円盤に数枚の絵が描かれ、円盤上のスリット(細長いスキマ)を通して鏡に映った絵を見ながら回すと、動いて見えるという視覚玩具。スリットの部分だけ絵が見え、他は視覚がさえぎられるので、スリットから見えるその瞬間その瞬間の絵が入れ替わることになり、これがアニメーションになる。
つくる場合は、スリットの数だけ絵を描けばよいので、パラパラマンガほどの手間はないけれど、円盤が回転するので繰り返しの動きになる。下のボタンから型紙がダウンロードできる。絵が描いてあるので、組み立てたらすぐアニメーションができる「走る人と馬」と、自分で絵をかく「オリジナル」の2種類を用意したよ。
① 用意するもの
ここでは、「走る人と馬」の型紙を使って驚き盤をつくる。
・驚き盤の型紙(走る人と馬)
・ボール紙(A4サイズでできれば黒、なければスリットの部分(円盤の外周)はマジックなどで黒く塗るとよい)
・のり(スティックのりがおススメ)
・割りばし
・ストロー
・プッシュピン(画鋲)
・鏡
・ハサミかカッター
・ものさし
・カッターマット
・絵を描けるようにフェルトペンなど。
② 型紙をボール紙に貼って、切り抜く
印刷した型紙を大まかに切って、ボール紙などに貼ろう。
スティックのりは紙の上で押さえつけて往復させると紙がクシャッとシワになってしまうことがあるので、一方通行で塗るとシワになりにくい。
のりが塗れたらボール紙に丁寧に貼ろう。のりが乾いたら円盤状に切り取る。厚手の紙をハサミで切るときは少し大きめにざっくり切ってから線にそって丁寧に切るときれいに仕上がる。
③ スリットを切る
次にスリット(細長いマド)を切る。カッターを使う場合はケガをしないように気を付けて、型紙の赤い実線を、ものさしなどを使って丁寧に切り取ろう。
ハサミを使う場合は、型紙の赤い点線を外から切ってしまい、スリットの外周部分のみセロハンテープなどで割りばしに当たらないように留める。
④ 驚き盤を組み立てる
驚き盤の中央に穴をあけてプッシュピンをさす。
ストローを3~5mm程度に切り、ピンに通し割りばしに差し込む。強く止めると円盤が回らなくなるので、回る程度にしよう。
⑤ 鏡に映った絵を見ながら驚き盤を回してみる
鏡を用意し、絵の面を鏡に向け、スリットを通して鏡に映った絵を見ながら円盤を回すと、絵が動き出して、アニメーションになるのがわかるかな。
人と馬をそれぞれ塗り分けると絵がはっきりして動きもわかりやすくなるので、試してみよう。
サンプルが出来たら、今度は「オリジナル」の型紙を使って、自分で絵を描いてみよう。
●そのほかのつくり方
アニメーションはここで紹介した以外にもいろいろな方法がある。要は瞬間ごとで絵が入れ替わって見え、動いているように見えればいいので、自分でその手法を考えても楽しいかもしれない。
ちなみに、「ポケデン」で紹介している装置の中で、以下のものはアニメーションづくりにも使うことができるよ。
・「パラパラ影絵箱Pi」(2023年7月号)
・「マジックディスク」(2022年7月号)
・「ストロボアンドマーカー」(2020年9月号)
・「フラッシュ555」(2018年10月号)
「お菓子の箱で電子工作《全ポケデン紹介》」を見て、参考にしてみてね。もしこれらのポケデンをつくっていたら、ぜひアニメーションづくりにも挑戦してね。
2 つくったアニメーションを動画で撮影して、編集部に投稿、報酬を手に入れよう
パラパラマンガや驚き盤などによるアニメーションができたら、スマートフォンのカメラ機能や、デジタルカメラを使って動画で撮影しよう。
一番できのいい動画を編集部に投稿してね。その時に、作品名や作品の紹介も一緒に書いてね。
投稿してくれた人の中から、抽選で伊藤先生の著書『電子工作パーフェクトガイド』と、伊藤先生オリジナルの電子工作部品セットをプレゼントします!
編集部に報告された内容は伊藤先生が確認して、おもしろいものを本誌2024年7月号(6月10日発売)で紹介する予定。伊藤先生に報告を見てもらいたい&プレゼントが欲しい人は、2024年4月22日(月)までにご報告を! たくさんのご応募をお待ちしています!
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