監修者
慶應義塾大学 環境情報学部教授
村井純先生
学校では今、コンピューターを使った授業の取り組みが進んでいます。小学校でプログラミング教育がはじまることも話題です。
パソコンやスマホに早いうちから慣れて、使いこなせるようになることは大切です。また、将来優秀なプログラマーをめざすこともすばらしい目標でしょう。ただ、コンピューターのしくみを学んだり、プログラミングを体験したりすることの目的は、それだけではありません。
私がコンピューター・サイエンスの研究をはじめた1970年代、コンピューターはただの計算機でした。それから40年余りがたち、私たちの身のまわりのあらゆるモノにコンピューターが内蔵され、世界中のコンピューターがインターネットという人類共通のネットワークにつながり、国の枠組みを超えてデジタル情報を共有するようになっています。そしてこれからは、人工知能が私たちを助けて、さまざまな仕事をする時代がくるでしょう。
みなさんがこれから生きる未来、思いついたアイデアを実現しようとするとき、必ずデジタルテクノロジーやインターネットの技術を活用することになります。コンピューターは、キミの夢をカタチにする道具となるのです。
この本では、コンピューターがどう考えているのか、どうつながっているのか、その原理を知ることで、みなさんがコンピューターと仲よくなる手助けをします。本書を読んでからコンピューターを使えば、きっとコンピューターはみなさんのやりたいことを実現する、強い味方になってくれるでしょう。