『子供の科学2024年12月号』の「ヘルドクターくられ先生のあやしい科学を疑え!」は読んでくれたかな? 本誌では収まりきらなかった、くられ先生の頭の中の徒然考えているお話を、コカネット限定で配信中! 本誌の連載とあわせて楽しんでね。
イラスト/obak(@oobakk)
勉強は未来の自分の時給を上げる投資である
てなわけで、本誌では、基本的にみんな勉強はそんなに真面目にしてないので、コツコツやっていれば上位10〜15%くらいまでは誰でもいけるよという話をしてました。
また、勉強とは未来の自分の時給を上げるものだ……という即物的な話もしました。
コカネットではこの即物的な部分をもう少し掘っていきましょう。
例えば世の中には、いろいろな仕事があります。どの仕事が偉いとか、偉くないとかはありません。ただし、時給の高い低いはあります。
この時給の高い低いは、その仕事をするためにどれだけの専門技術や勉強時間が必要かという積み重ねの時間によって決まっています。
例えば、弁護士の先生は法律相談を30分するだけで5千円以上が相場です。時給1万円です。お医者さんになると、1時間2万円の時給になることもあります。
法律についてベラベラ喋ってるだけ、聴診器あててなんかカルテ書いているだけでそんな高額なお金がもらえるなんて! と思う人がいるかもしれませんが、どちらも非常に難しい試験をクリアしなければならず、医師に至っては、成績は上位1%台を何年もキープし、その狭き門をくぐり抜けた人達だけの大学で何年も専門の勉強をし、さらに何年も実務を積んでようやく「一人前」として時給が発生していて、その分、人の財産や命を「預かる」という責任もその値段に乗っているわけです。
レジ打ちの時給が1000円に比べて20倍高いのは、その積み重ねの違いなわけです。ここでいう、レジ打ちは悪い仕事、低い仕事という意味ではありません。無資格でバイト先で教えられればできる仕事という意味合いです。
さて、このレジ打ちや品だしのアルバイトで得られる時給が1000円だとしましょう。これは、特別なスキルや学歴が必要なくても応募できる仕事ですね。そこで、大学や専門学校で勉強し、資格を取得することで、例えばガソリンスタンドなどだと、その免許に応じて時給が1500円とかになることがあります。
看護師や歯科衛生士などの専門資格をとることで時給が2500円とかも超えていきます。
さて、ここで勉強をして資格やキャリアを積み重ねてきた人と、そうでない人にどういった差があるでしょうか?
これは純粋に選択肢が増える……です。
別に医師免許を持っていてもレジ打ちバイトをしても別に構わないのです。しかし積み重ねがない人は、どんどん選択肢が減っていくので、〜しかないという仕事の選択肢がなくなっていくからです。
しかもスーパーやコンビニのバイトだって、年齢という制限もあるでしょう、人間は歳を取るので積み重ねがないと選択肢がどんどん減ってしまうのです。なので、自分の人生の選択肢を広げること……これこそが「勉強」とさえ言い換えることができます。
これは資格や受験といった話ではなく、例えば、動画アプリ1つ使いこなせるだけで、動画編集の仕事を請け負える。つまり専門技術者として仕事を得ることができるということです。
そういう意味で勉強とは、自分ができないこと、しらなかったこと、を学び、できるようになる、わかるようになる……というものが本来の「勉強」です。
そして勉強は自分の未来の時給に対する投資ということができるわけです。しかも投資というのは、だいたいがリスクがあるものばかりですが、勉強に関してはリスクはほとんどないですね。
算数がちょっとできるだけで、スーパーの買い物で何がお得かわかるようになりますし、その発展系の数学ができるようになれば、宝くじを買うのは奇跡がおきない限り損であると判断できるようになります。
体のことを少し理解してるだけで、普段とは違う異常に気がつけて、それのおかげで大病を悪化するまえに食い止めることができるかもしれません。
あとは社会で仕事をしていく上で「人間性」ですね。どんなに勉強ができても無礼で人をバカにしたり、強欲で人から盗むような人は仕事がもらえません。そういう意味でも「人間性」でも上位10%……いや30%以内くらいには入っていたいな……と思う次第です。
まぁ今回の話……全面的に自分が一番耳が痛いのですが……。
みなさんも「勉強とは何か?」一度考えてみてください。
文