『子供の科学2024年9月号』の「ヘルドクターくられ先生のあやしい科学を疑え!」は読んでくれたかな? 本誌では収まりきらなかった、くられ先生の頭の中の徒然考えているお話を、コカネット限定で配信中! 本誌の連載とあわせて楽しんでね。
イラスト/obak(@oobakk)
キミは害悪オタクになっていないか?
さて、本誌では、自分の知識をひけらかしたい、すごいと思われたい気持ちが先走った害悪オタク仕草こそ、その世界を壊す害となるという話をしました。
もちろんその逆をすれば、貴方が大好きな世界をもっと一緒に楽しく広げてくれる仲間が増えるので、初学者、初心者に、強く当たる意味はないし、気をつけようという話です。
それは科学だけでなく、あらゆる分野にいえることです。
例えば、貴方は1つの対人ゲームがそこそこうまいとします。
しかし、そんな貴方が、できない人を煽ってプレイしたり、初心者なのを分かってボコしていたらそのゲームのプレイヤーは増えると思うでしょうか?
当然、初心者刈りが横行するゲームは廃れやすくプレイヤーは残りにくいです。
初心者刈りをしている人は、そのゲームが好きなんじゃなくて、そのゲームが強い俺が好き、つまりそのゲームを自分のアクセサリーか何かだと勘違いしているのでしょう。
これは知識や科学においても同じで、そのはき違えた愚かな人が大人になってもそのままという人が多くいます。SNSなどでいきなり「この〜はXXなので間違ってますぅ〜wwww」みたいな品のないコメントをしてしまう人をちょくちょく見ます。
そういう人は、たしかに詳しいかもしれませんが、明らかな初心者キラーで、そんなことをしていれば、その世界に興味をもって「もっと知りたい」と思う人が減るのは必然です。
ゲームと同じで、初心者刈りで楽しんでるだけのヤバい人なのです。
なのでそういった人を見つけたら、反応しないでミュートして見えない化していくことが大事です。
今のSNSというのは「ネガティブペナルティ」が存在する世界です。
このネガティブペナルティの話はいずれまとめてするとして、「人から嫌われる行動」事態は、その世界の評判を落とす以上に、興味を持つ人さえ減らすので、ひどい人をみつけたら通報なりミュートなりして、「関わらない」ことが肝心です。攻撃的な人は、関わる人が少ないので、あとは時間の無駄でしかないことが多いからです。
優秀大学生仕草(笑)
さて、初心者として爆誕したみなさんの学問デビューも、その専門の大学などに行って学んでいると、ピタっとはまる「得意分野」が必ず現れます。自分も、それはもうポケモンいえるかなのレベルで、特定の反応式をバカみたいに覚えまくって、書きまくって得意になっていた時期がありました(笑)。まぁ実体験ってやつです。
成績優秀者になったら、あの教授はこんなことも忘れてる……とか、あの板書まちがえてたプークス……とかいうでしょう。これは保証する(笑)
しかし青二才がナニをいってんだって話しなのです。そしてその先生もたぶん若い頃はそうだったのだ(笑)だから、誰も笑っても仕方ない、間違えは間違えでしたよと伝えるだけで、それ以上でも以下でもあってはいけないのです。学びたてが知識もフレッシュで情報が新しい。当たり前の話で、これを年をとってもなお維持し続けることがどれだけ難しいか……。
科学に生きる人も、年を取ると、学問だけでなく、初学者を導いたり指導したり、研究だけでなく、いろいろな責任や仕事が増えます。
だからこそ、若くて知識がフレッシュな研究者はその魔法が解けないうちに、早く新しく科学の地平を広げていけないといけないわけです。人を笑っている暇などないのです。
大丈夫です、そのスゲエ知識は、使わずに20年も経つと殆ど蒸発して消えています(笑)
そう実体験ってやつなんで!
そういうわけで、ゲームも学問もスポーツも、その世界が大好きなのであれば、初心者には優しくあらねばならんのです。
そして中級まで育ったら、イヤでも壁や試練にぶち当たります。そこで超えることができるかどうかは、本当に最初の「嫌な思い出があるかないか」ではないかと、自分は強く思うのです。
文