【サイエンス“手に職”図鑑】ロボット開発者/ロボットと人間が協力して暮らす未来をつくる

【未来に一歩近づける度 ★★★

株式会社安川電機
やすかわでんき
外林杏子
そとばやしきょうこ
さんに聞きました。

キャリアプラン

高校で数学や物理を学ぶ
工学部のある大学で機械について学ぶ
ロボット開発を手がける会社に就職する
ロボット開発者になる

必要な資格

資格は必要ないが、ロボットの動きや部品の形を決めるために、高校で習う数学や、理科の勉強の1つである物理の知識が必要。

仕事データ

勤務時間/1日8~10時間(8:30~始業、12:00~休憩45分、17:00~20:00終業)
休日/週2日(土日)
働ける年齢/定年まで

このような人が向いている!

□根気強い人
□さまざまな視点を持っている人

現場のお話を聞いてみよう!

計算とテストを積み重ねて「こんなロボットほしい!」を実現

 ロボットと人間がなかよく暮らす未来を想像したことはありますか? じつはすでにロボットは人と協力して仕事をしているのです。車を作るとき部品をつけたり、食品を運んだり、人間と協力して仕事をするロボットは人協働ロボットとよばれ、ロボット開発者の手によって作られています。

 ロボット開発者がロボットを作るとき、まず世の中で必要とされているのはどんなロボットか調査することからスタートします。もちろんお客さんから「こんなロボットがほしい!」とリクエスト受けることも。方向性が決まったら、さまざまな計算をしたり、3Dモデルとよばれるコンピューターによって作られた立体的な画像を見たりしながら、どのような技術を使えば作れるか考えます。こうして構造が決まったら図面を作成し、部品メーカーに部品を作ってもらいます。これを組み立てたら、設計した通りの動きができているかテスト。問題があれば修正し、またテストをするという作業をくり返し、お客さんに売る製品と同じ状態に仕上げていきます。

 ほかにも、コントローラの設計者や動きを決める設計者など、多くの人が協力して1つのロボットは生まれるのです。

人協働ロボットとは
車の部品を作ったり、食品を運んだりと、製造作業に関わるロボットを「産業用ロボット」といいます。今までの産業用ロボットは人とぶつかると危ないので、柵などで覆って作業をしていました。「人協働ロボット」は、人とぶつかってもけがをさせない安全な設計のロボットです。柵がいらず、かぎられたスペースで人と並んで仕事ができるので、いろいろな場所で設置しやすいロボットとして注目されています。

将来のワクワク度はピカイチ! 算数や理科を学んでおくと◎

 頭のなかで想像していたロボットが、1つ1つ工程を積み重ねて、実際に動き出すのを見られるのは、この仕事ならではのやりがいであり、おもしろさです。また、開発したロボットは日本だけに限らず、世界のものづくりを広く支えます。これからさらに活躍の場が広がっていくロボットの開発に携われば、さらにワクワクする仕事ができるでしょう。

 もし将来ロボット開発者をめざすなら、算数や理科をしっかり勉強しておくのがおすすめです。ロボットの形や動きを決めるには、たくさんの計算と、力やエネルギーに関する知識が必要です。また、海外の開発メンバーとやりとりする場面もあるため、英語も身につけるといいでしょう。

 ロボットはこの先、わたしたちの生活にさらに深く関わる存在になるといわれています。特に力仕事や人数が必要な場所で、人間と力を合わせて活動するロボットの開発が期待されています。そんなロボットを生み出すのは、もしかしたらみなさんなのかもしれません。

こうやって稼いでいます!

・人といっしょに働くことができる人協働ロボットの開発をする(人協働ロボットは産業用ロボットの新しい分野)

年収

約670万円

厚生労働省O-NETより

★お仕事メモ★
「ロボットは人の仕事を奪う」といわれるが、AIが考えた選択肢を判断するのは人間の仕事。今後ロボットは人だけで行うと大変な作業に対し、人を助ける存在としてさらに進化していくと考えられる。

(文/小園まさみ イラスト/浅野知子)

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