【サイエンス“手に職”図鑑】データサイエンティスト/ITとビジネス両方のスキルで、ビッグデータを宝に変える

【分析の力でいろんな課題を解決する度 ★★★

IT業界に詳しい、マスクド・アナライズさんに聞きました。

キャリアプラン

理工系学部の出身が多いが、経済学部などの文系出身者も多い
企業でデータサイエンティストとして働く

※社会人になってから、プログラミングを勉強して、データサイエンティストとして活躍している人もいる。

仕事データ

勤務時間/ 1日8時間~
休日/週休2日
働ける年齢/22~60歳

現場のお話を聞いてみよう!

数学や統計の力で、データに隠れたルールや原因を見つけ出す

 みなさんは何かを決めるときや悩んでいるとき、どうしますか? なんか好き、とか、たぶんこうした方がいい、なんて、これまでの経験や直感で決めることが多いかもしれませんね。でも企業の場合、どのような商品を作るかを決めるときに経験や直感だけに頼るのは心配です。そこで活躍するのがデータサイエンティスト。大量のデータを分析して、そこに隠されたルールや問題の原因などを見つけ出します。そして得られた情報を活用して、企業の利益を増やす方法や問題を解決する方法を予測するのです。こうしたデータを分析するときにプログラミングやAIの技術を使います。

 例えばゲームで遊ぶ人をもっと増やしたいとしましょう。どうして増えないかその原因を予測するため、たくさんのデータを集めて分析して、その原因を見つけ出すのがデータサイエンティストの仕事です。分析の結果、例えばゲーム内のボスキャラが強すぎるのではないか? などと予測します。そしてこの問題を解決するために、敵を弱くしたり、クリアが簡単になるアイテムを配ったりすることを提案したりするのです。情報技術の発達で、以前では考えられないほど膨大なデータを持てるようになりました。そのビッグデータを分析して、いろいろな予測に役立てる仕事は、さまざまな分野の企業や社会で求められています。

好奇心と探究心、この2つが仕事のカギ!

 この仕事では、常に新しい技術や情報を調べて、よく理解することが必要です。そのため、好奇心が強い人や、本を読んで熱心に調べたり、調べたことを実際に手を動かして自分で試したりするのが好きな人は、この仕事に向いています。

 仕事には英語の力も重要です。コンピュータサイエンスやプログラミングなどでは常に新しい技術や手法が、主に海外でどんどん出てくるので、それらの情報収集は欠かせないのです。海外で働いたり、外資系のIT企業で働くのにも有利になります。

 この仕事をめざすなら、実際にプログラミングをやってみましょう。まずは本格的なものではなく、子ども向けに開発されているスクラッチ(Scratch)などのプログラミング言語から始めるのがよいでしょう。何か動くものを作ってみると楽しいですよ。

 データサイエンティストの多くは、チームで仕事をします。ときにはリーダー的な役割を担うので、チームワークや、人とのコミュニケーションを大事にする気持ちも必要とされます。

こうやって稼いでいます!

・ビッグデータを収集・分析し、ビジネスで活用しやすい形にする
・ビッグデータの中から隠れた原因などを見つけだし、利益アップや問題解決の方法を提案する
・データ分析の結果を元にみんなで改善してもらう

活躍の場はAI開発にも
・分析した結果をもとに、新たな人工知能(AI)を作る
・AI開発に欠かせない学習用のデータを用意する

年収

700~2000万円

★お仕事メモ★
データサイエンティストの働き方はさまざま。一部上場の大きな企業で働く人もいれば、企業から独立して、起業する人、フリーランスで働く人もいる。

(文/保谷彰彦 イラスト/高村あゆみ)

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