『子供の科学』2024年2月号の特集ではChatGPTなどの「生成AI」について紹介した。年齢制限などの条件をクリアして正しく利用すれば、きっとキミの学びの助けになり、探究心を揺り動かす頼もしい「仲間」になってくれるはずだ。まずは使い方を正しく理解しよう!
ChatGPTの使い方
アメリカの新興企業OpenAIが提供するChatGPTは、日々進化して新しい機能が次々に加わっている。まずは無料で使えるプランに登録し、使ってみることを目指そう。
本誌でも書いた通り年齢制限があり、13歳未満の場合は大人の人と一緒に取り組むよう注意してほしい。13歳以上でも18歳未満なら、保護者の同意が必要となる。
①アカウントを登録しよう
まずは、ChatGPTのホームページにアクセスしてみる。
右側にある「Sign up」のボタンをクリックして、必要な情報を入力していこう。
「Create your account(アカウントをつくる)」に必要な項目としてEmailアドレスなどを入力し、12文字以上のパスワードを設定していく。
すると、指定のEmailアドレスに、OpenAIからメールが届く仕組みだ。
英語が難しければ、Google Translateなどの翻訳機能を使って進めるのも手だ。
「メールアドレスの確認」のリンク先に飛ぶと、名前や生年月日の入力を求められる。間違えないよう慎重に入力する。
生年月日から規定の年齢に達していないと判断された場合、「We can’t create your account due to our Terms of Use」と表示され、アカウントはつくれない仕組みとなっている。適齢でない場合は、保護者など大人と一緒に使うことにしよう。
名前と生年月日を記入後、「Agree(同意する)」をクリック。使い始める前の基本的な手続きは以上となる。とても簡単だ。
②ChatGPTをはじめる心得をチェック
ChatGPTを使い始める際、基本的な心得として、3つの項目が初回登録者に示される。
最初に「何でも聞いてください」とあり、「ChatGPTは質問に答えたり、学習を助けたり、コードを書いたり、一緒にブレインストーミングしたり、さらに多くのことができます。」と幅広い機能があることがわかる。
一方、後の2つ「機密情報を共有しないでください」、「事実を確認してください」という使用上の注意が記されている。この後に説明するが、要注意の重要事項なので利用時には常に心がけよう。
③プロンプトを書き込んでみよう
使えるようになったら、画面に「今日は何をお手伝いしましょうか?」と表示される。
下に「旅程を計画する」、「コンセプトを考えてみてください」といった利用例が示される。
早速その下のウインドウに「以下の文章を要約して。……」や「蝶と蛾の違いを教えて」など、具体的な指示文(プロンプト)を書きこんでみよう。ただ、「ChatGPTは間違いを犯すことがあります。重要な情報は確認をお考えください。」との注記があるように、出力された内容をそのまま信じないよう心がけよう。
有償版「GPT-4」もチェック
ちなみに、左上の「ChatGPT 3.5」のプルダウン(∨)から、初期設定となっている無償のGPT-3.5と、月額20ドルの有償版「GPT-4」を選べる。有償版にすると、OpenAIの画像生成AI「DALL-E」の機能が加わり、画像の生成などもできるようになる。
本誌16ページでは、有償版「GPT-4」を使ってAI小説を書いてみる方法を紹介しているよ。試してみたいキミは、親御さんと相談してから挑戦してみよう。
Bardもあわせてチェック
GoogleのBardもおおむね基本操作は同じだ。ChatGPTと使い分けてみるのもいいだろう。ただ、Bardは18歳以上が利用条件であるため、達していない場合は、やはり大人の人と一緒に使うように注意だ。
ChatGPTを安全に使うために設定しておくこと、知っておくこと
先ほど触れた通り、ChatGPTに登録すると真っ先に「機密情報を共有しないでください」、「事実を確認してください」と注意が促される。
機密情報とは、学校のホームページには載っていない先生や児童・生徒だけが知っているような秘密性の高い情報を指す。
友だちの名前や住所はもちろん、学校の行事予定なども学外に公表されていなければ、機密情報に該当することがある。機密情報かどうか迷う場合は、必要がない限りChatGPTに入力しないほうがいい。
また、誤って入力してしまった場合の情報の流出に備え、「オプトアウト」という設定をしておくことも重要だ。オプトアウトを選ぶにはまず、左下の自分のアカウント名にカーソルを合わせてクリックすると表示される「設定」を押す。
その「設定」から、「データ制御」→「チャット履歴とトレーニング」へと進み、「OFF」に切り替えよう。
また、「事実を確認してください」という点も重要だ。たとえば、「雑誌「子供の科学」はいつ創刊しましたか」とChatGPTに聞いてみる。すると、「1951年」と返ってきました(2023年12月時点)。
正しくは「1924年」創刊なので、間違えているとわかるだろう。こうした誤答をしてしまうことが時々あるため、常に注意が必要だ。
なお、2023年7月に文部科学省が公表した「初等中等教育段階における 生成AIの利用に関する暫定的なガイドライン」によると、小中学生らが生成AIを使う場合に推奨されない事例として、
・⽣成AI⾃体の性質やメリット・デメリットに関する学習が不十分な状態で自由に、安易に使わせること
・各種コンクールの作品やレポート・⼩論⽂などについて、⽣成AIによる⽣成物をそのまま⾃⼰の成果物として応募・提出すること
・定期考査や⼩テストなどで使うこと
※文部科学省「初等中等教育段階における 生成AIの利用に関する暫定的なガイドライン」より抜粋、加工
などがあげられている。
一方、英語授業やグループ討論のアイデア出しといった活用例も示されている。時と場合によって、有効な使い道を先生など大人とも一緒に考えていく姿勢が大切だ。
以上でChatGPTをはじめる準備はOKだ!
早速本誌でも紹介した、生成AIの使い方を実践してみよう。キミが見つけた生成AIの使い方も、子供の科学編集部宛にぜひ教えてね。
※情報はいずれも2023年12月時点のものです。
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