子供の科学100周年パートナーの株式会社アソビズムは、実験やものづくり、自然観察など、好きなことをトコトンやりたい小中学生を応援する“次世代教育プログラム”「小中学生トコトンチャレンジ2024」をサポートしています。
数々のヒットゲームを生み出してきたアソビズム社の支援によりゲームクリエイター部門を新設。アソビズム賞に選ばれた笠間創太さん(中学1年生)、特別賞に選ばれた山下大樹さん(中学1年生)が、アソビズムのプロゲームクリエイターのアドバイスをもらいながら、ゲーム制作に取り組んでいます。
2024年8月24日(土)には、東京・千代田区のアソビズム本社にて行われたゲームづくりのワークショップに参加した小中学生のみなさんに、笠間さん、山下さんがつくっているゲームのβ版(テスト版)を遊んでもらう試遊会を開催しました!
アソビズムのプロのゲーム制作でも、必ず社員による試遊会を行います。ゲームクリエイターは自分のつくったゲームを何度も遊んでいると、慣れてきていろいろなことがわかった状態になるので、はじめて遊ぶ人の感覚がなくなってしまいます。はじめてゲームで遊ぶ人がどうプレイするか、どう感じるかがとても大事なのです。
笠間創太さん「Color Match」
『子供の科学』2024年8月号で紹介した状態から、ブロックが消えるときのアニメーションや音が追加されるなどして、パズルゲームとしての気持ちよさが格段にアップしたβ版。高得点を目指して、夢中になってチャレンジする参加者の様子が印象的でした。
試遊会の振り返り
みんな夢中になって手を動かしていたね。「Color Match」のパズルゲームとしてのおもしろさは、素早く操作してブロックをどんどん消していく快感にありそうだ。制限時間内にどれだけ得点できるかというゲームだけど、残り時間を意識して見ている人がいなくて、夢中に手を動かしているうちに時間がたって終了という遊び方に見えた。うまくいくと持ち時間が増えるなど、時間を意識させながら、正しいことをするとさらに高得点が狙えるような攻略法を用意すると、プレイヤーに緊張感が出てきて、より熱中できるパズルゲームになりそうだね。
【改善点】
●遊んでいるところを後ろから見ていると、素早く指を動かす子、ゆっくり動かす子、短く動かす子、長く動かす子のバリエーションがあることに気づいたよ。動かし方によってブロックが反応しないケースがあったので、すべての動きに対応できるようにプログラムを改善すべし。プレイヤーは自分が思った通りに動かないことがちょっとでもあると、大きなストレスになっちゃうんだ。
●まずは1人用のおもしろさを確立させてることが優先だけど、対戦モードもあるとおもしろいかも!
山下大樹さん「キアゲハでボスバトル」
『子供の科学』2024年8月号で紹介した状態から、主人公の幼虫を襲うアリやハチ、カマキリなどのボスキャラクターの絵が格段にリアルに! 参加者はボタンを連打したり、キャーと叫んだりしながら、襲ってくるボスの攻略を楽しんでいました。
試遊会の振り返り
昆虫たちのリアルにこだわったことで、「噛めば噛むほど味が出る」山下くんにしかつくれない作家性が出ていてすごい! ゲームをつくっていると、ゲームのおもしろさを出すために派手なアクションを追加したくなるんだけど、自分が観察したリアルな昆虫の様子にこだわる姿勢を貫いている山下くんのゲームのつくり方にプロクリエイターも勉強させてもらったよ。ゲーム画面のユーザーインターフェイスをつくり込むと、もっとこのゲームのおもしろさが伝わりそうだね。
【改善点】
●絵がものすごいリアルなのに対して動きが単調なので、敵のボスたちのアニメーションや攻撃のときの効果音にこだわると、キャラクターがもっと活きてくると思うよ。リアルを追求しながら、どこまでゲーム性を高めていくか考えるといいね。
●クリアの仕方によって、ハッピーエンドからバッドエンドまで、いろいろなパターンのエンディングが用意されていておもしろい。エンディングコレクションみたいなメニューがあって、クリアするごとにコレクションできるようになると、楽しみ方が広がりそうだ。
2人はアソビズムの支援を受け、12月のゲーム公開に向けて制作中! 完成したゲームは『子供の科学』誌や「コカネット」で紹介しますのでお楽しみに☆
文