お久しぶり! しばらくお休みしていた間いろんなことがあったね。特に新型コロナウィルス感染症
の世界的な影響はいろんなところにも波及
して、この連載で使っているmicro:bitの製造にも打撃
を与えていたんだ。
そのおかげで手に入りやすい部品でつくられるようになったV2.21というmicro:bitも出てきたぞ。機能はV2と同じだよ。V2で新しく使えるようになった機能などは「micro:bit V2登場!」を参考にしてね。
さて、この連載を今回初めて読む人もいるかな。コカネットでは、micro:bitを使ったツール「探検ウォッチ」にプログラミングをすることで、いろいろな機能を追加しているよ。雑誌での連載
を含めたバックナンバーは、micro:bit特設サイトでまとめているので、ぜひ見てみてね(記事のバックナンバーを読むのは、コカネット無料会員登録が必要)。
さて今回は、micro:bit V1.5でもV2でも共通して楽しめる、LED画面を使った作品にチャレンジしてみよう。全3回で遊び方を紹介するぞ!
1 micro:bitを使ってプロジェクターをつくる
みんなはプロジェクターってみたことがあるかな? 学校やお店などいろいろなところで映像を映すのに使われているよ。実は、ちょっと工夫をすることで、micro:bitのLED画面を壁などに投影
できるプロジェクターができちゃうぞ。まずは身近な材料とmicro:bitでプロジェクター本体をつくってみよう。
用意するもの
・ルーペ・虫眼鏡などの拡大レンズ
100円ショップなどで変えるようなものでだいじょうぶ。今回は写真のような折りたためるルーペを使ったよ。
・細長いお菓子の空き箱など
ここでは「ダイジェスティブビスケット」(ブルボン)の箱を使った。プロジェクターのケース部分にするので、ブロックなどでつくるのもいいね。
プロジェクターのケースをつくる
それでは、次からの手順を参考に工夫して、プロジェクターのケースづくりにチャレンジしてほしい。材料にする箱によって同じ形にならなくてもだいじょうぶだ。筆者は『子供の科学』の人気連載「ポケデン」のように、お菓子の箱で挑戦してみたぞ。
このケースの仕様としては、レンズとmicro:bitを平行に置き、その距離
を自由に変えられるようにする。次の図を参考にしてほしい。
ケースにケーブルを通すスリットをつくる
micro:bitはmicroUSBケーブルを差した状態でケースに入れたい。microUSB端子はmicro:bitの上側にあるので、ケースになる箱の上面に、下の写真のように切り込みを入れるぞ。カッターナイフを使う場合は大人と一緒に作業するなど注意しながら進めてほしい。
切り込みだけではコネクターが入りきらず、micro:bitをがケースの中で安定しないので、切り込みの端を少しずつ外に折って立ち上げてみた。こうすることでケーブルが挟まって固定される。
ケーブルを通す穴ではなくスリットにしたのは、レンズとの距離を調整できるようにするためだ。ブロックやボール紙などでケースを1からつくるときも、レンズかmicro:bitを前後に動かせるようにつくってほしい。
ケースにレンズを取り付ける
ここで、材料として使った100円ショップのルーペは、カバーを回転させてレンズが出てくるタイプで、カバーがネジで止められていた。そのネジを外してレンズだけにすると、四角くて箱のサイズにもちょうどよかった。
箱の口の周りをちょっとずつ切り取って、レンズをマスキングテープで固定したぞ。その時に、レンズ部分にテープがかからないように気を付けよう。
ちなみに、マスキングテープは粘着力が弱いので、レンズをしっかり止めたいのであれば、ビニールテープなどのもっと粘着力が高いテープを使おう。
もし手に入ったレンズが虫眼鏡のように丸い形の場合、ケースはレンズにあった円柱形のお菓子の箱を使ったり、四角い段ボール板にレンズの大きさの丸い穴を開けてはめ込んでみるのもいいね。入手できる材料によって、いろいろ工夫をしてみてね。
今回筆者が材料を探しに行った100円ショップには、カードタイプルーペといって平面のレンズ(フレネルレンズ)も売っていた。これは平面なので今回のような工作には使いやすそうだ。倍率が低い場合、何枚か入手すれば重ねて使うことで高倍率にしたり、調整も楽しめそうだ。
レンズをケースにセットしたら、micro:bitプロジェクターの本体が完成だ。
※注意
レンズを使った工作を、直射日光の当たる場所に置きっぱなしにしないでください。レンズには集光能力があり、日光を集めると高温になり、紙などは燃えてしまいます。火災の原因になる場合もあるので、置き場所には十分注意をしてください。
2 プログラムをつくって投影をしてみよう
それでは早速プログラムをつくって、micro:bitプロジェクターで投影してみよう。テストなので、アイコンを表示し続ける簡単なプログラムでOKだ。
部屋を暗くして、白い壁などに映してみよう。白い紙を壁に貼ってスクリーンにしてみてもいいね。壁とプロジェクターの距離を調整したり、レンズとmicro:bitの距離を変えて、点のような光から、広がった円の光になるまでうまく調整できただろうか? そして、レンズの効果で、上下反転して投影されていることにも気づいたんじゃないかな。
次回以降このプロジェクターを使って表示する、LED画面のプログラムをいろいろ考えてみるぞ。
なお、このmicro:bitプロジェクターはこちらの自作ハードウェアなどからインスパイアされて企画しました。自分で考えて工作するのが大変な場合、キットを使ってつくるのもオススメです。
文