新型コロナウイルス対策で、外出のときにはマスクをするようになった。ところがマスクが売り切れになっていたりして、なかなか手に入らない状況だ。
手ぬぐいなどを使って布マスクを手づくりする人もいるけれど、実は3Dプリンターでもマスクをつくることができるんだ。
というわけで今回は、KoKa編集部
にある家庭用の3Dプリンター「AFINIA(アフィニア) H400+」を使って、マスクづくりにチャレンジしてみたよ!
1 マスクのモデルデータはどうする?
3Dプリンターでマスクをつくるには、マスクのデータが必要
だ。でも、自分でデータをつくれなくても大丈夫。3Dプリンター用のマスクのモデルデータを公開しているウェブサイトがいくつかあるので、そのモデルデータを利用
することにしよう。
今回はデザインを専攻
している二人の大学院生が運営
しているウェブサイト「rootech360」で公開されている「PITATT 3D print mask(ピタット スリーディー プリント マスク)」のデータを利用したよ。
2 マスクのデータをダウンロード
ウェブサイトにアクセスしたら、データをダウンロードしよう。サイズが2種類
あるけれど、今回は「SMALL(スモール)」をつくることにする。
写真の下にある「Download」というボタンをクリックしたらGoogle(グーグル)ドライブに移動
するので、そこにある「PITAT_small_inner_v1.stl」「PITAT_small_outer_v1.stl」の2つのファイルを両方ともダウンロードしよう。
なお、「TOS/利用規約
」のボタンをクリックすると、このデータを使うときの条件
などについて説明
されている。保護者
の方と一緒
に、最初
に読んでおいてね。
3 3Dプリンターで出力をする
「PITATT 3D print mask」はインナーとアウターの2つの部品からできていて、間にフィルターをはさみこむ構造
になっている。そのため、出力するデータも2つあるよ。
3-1 インナーのデータを「Afinia Studio」に読み込んで、出力する
3Dプリンター「AFINIA H400+」の準備
をしたら、パソコンで専用
ソフトの「Afinia Studio(アフィニア スタジオ)」を起動
しよう。
ダウンロードしてきたSTLファイルは「Afinia Studio」にそのまま読み込むことができるので、さっそくインナーのデータ「PITAT_small_inner_v1.stl」を読み込んでみよう。
インナーはこのまま出力しよう。パソコンと3Dプリンターを接続
して(AFINIA H400+は、USBケーブルか、Wi-Fiでパソコンと接続できる)、データを3Dプリンターに転送
、出力すればOK。ちなみに、素材
はABS樹脂
を使っているよ。1時間ちょっとの時間で出力される。
3-2 アウターのデータを「Afinia Studio」に読み込んで、出力する
3Dプリンターでインナーの出力が始まったら、3Dプリンターからパソコンをはずして、次にアウターのデータ「PITAT_small_outer_v1.stl」を読み込んでみよう。
ほんのちょっと、サイズが大きいみたいだ。ボードの範囲
(プリンターが出力できる範囲)に収まっていないので、これでは出力ができない。
でも、アウターのモデルを動かして、配置
を調整
すれば出力できるようになる。ボードからはみ出さないように気をつけてね。
アウターのモデルを斜
めに配置して、対角線
を利用することで、はみ出していた左右の幅をボード内に収めることができた。これで、3Dプリンターに接続して転送、出力をするよ。4時間くらいで完成するよ。
完成したら、ボードから外して、サポート材などをはがそう。
4 耳にかけるゴムひもなどを付けて完成させる
マスクのインナーとアウターが出力できて、サポート材などをはがしたら、耳にかけるひもをアウターに取り付けよう。今回編集部では、使い終わった使い捨てマスクのひもを切り取ってつけたよ。ウェブサイトでは、ゴムひもや輪ゴムを使った、ひもの取り付け方法が動画で紹介されているので参考
にしてみてね。
インナーとアウターの間にはフィルターをはさむよ。このフィルターは、ガーゼやティッシュペーパー、キッチンペーパーなど手元にあるものでもよい。
アウターとインナーの間にフィルターをはさんで、インナーの突起
部分を、アウターの四角い穴に押し込むように取り付けるよ。フィルターが穴をふさいでしまわないように、気を付けよう。
これで完成だ。つけると写真のよう感じだ。
サポート材をはがしたところなど、ちょっとチクチクするなあと思ったら、やすりで滑
らかにするといいかもしれない。
1回使ったら、フィルターを取り換
えて、アウターやインナーは水洗いをすればいい。これで何度でも使えるよ。壊
れてしまってもつくりなおすことができるのがいいね。
3Dプリンターは、アイディア次第でいろいろなものをつくることができる。モデルデータをつくることができなくても、今回のマスクのように、無料で利用できるモデルデータを公開しているところもあるぞ。それらのデータを使って、便利なツールをつくることができるんだ。
今回使った3Dプリンター「AFINIA H400+」の詳細はKoKa Shop!でチェックしよう。
「スタプロ」では、これからも3Dプリンターの活用方法を紹介していく予定だよ。ぜひチェックしてね!
(記事協力:Rootech360)