コッパーくんづくりを進めるうちにわからないことや疑問が出てきたら、ココを読んでみよう。陥りがちなミスや失敗したときの対処法を伊藤尚未先生に聞いたよ。自分の疑問に近い「Q」を探して、手掛かりをつかむんだ!
Q ビニール線の先端の被覆をむくのに失敗して、短くなってしまいました。
A 専用のストリッパーか、カッターを使うと失敗が少ない
ビニール線の被覆をむくときに、ニッパーなどを使って引きちぎるようにむくと、中の導線まで引きちぎってしまいがちです。専用のストリッパーがあればいいのですが、なければカッターを使い、被覆のみを切るよう、ていねいに作業します。カッターの刃にビニール線の被覆をあて、ビニール線をころころ転がしながら周辺に切れ目を入れていくと、きれいに被覆をむけます。
ビニール線の長さが短くなり、それぞれの基板位置に届かなくなってしまった場合は、ビニール線を追加で入手して、ハンダ付けをして長さを補います。ビニール線は電気屋さん、ホームセンターの電気製品売り場などで販売されています。
Q 電子部品が邪魔でジャンパー線をつけられません。
A 部品をハンダ付けする前に、ジャンパー線を基板に通しておく
今回の設計では、背の高い部品の下などにジャンパー線(スズめっき線)を通すようなところもあるので、後からジャンパー線をつけようと思うと、作業が難しい場合もあります。そのため、部品を取り付ける前に、先にジャンパー線を基板の穴に通しておいたほうがよいでしょう。
その際、穴の位置などを間違えないように、また隣の部品の端子に、ジャンパー線が接触しないように注意してください。接触しているとショート回路になってしまいます。
Q ビニール線がぐちゃぐちゃで、どこにつなげたらいいかわかりません。
A 先に半分の長さのビニール線をハンダ付けして、後からビニール線同士とつなぐ方法もある
ビニール線での配線が多いため、ごちゃごちゃとしてしまいますよね。『子供の科学』8月号別冊付録「電子工作ロボット コッパーくんをつくろう!」21ページを参考に、1つ1つ丁寧に接続していきます。
どうしてもわかりにくい場合は、ビニール線を半分に切り、それぞれの基板にハンダ付けした後、モーターへの配線と同じように、切ったビニール線同士でハンダ付けするとよいでしょう。このときにハンダ付けしたところを、熱収縮チューブやビニールテープなどで絶縁するのがポイントです。ビニール線のハンダをむき出しにしていると、ほかのビニール線のハンダ部分と接触してショート回路になってしまいます。
Q 電子部品をハンダ付けした後、ビニール線をハンダ付けしようとしたら穴がふさがっていてつけられません。
A 電気的に接続できていれば、隣りの穴を使ってもOK
ビニール線を通す穴がハンダでふさがっている場合は、ハンダ吸い取りリボンなどでハンダを除去します。ハンダはないけれど部品の端子や配線が邪魔だという場合は、少しだけ端子の配線をよけて、穴に通します。
また、回路は電気的接続が正しければよいので、ビニール線を通す穴が使えない場合は、ビニール線を通す穴の近くで、配線図通りに電気的に接続できる穴を使うこともできます。例えば隣の穴が空いていて、線を少し伸ばして本来のラインに接続する、といったことも可能です。工夫して配線してみましょう。
Q ビニール線をすべてつなげた後、基板を型紙に設置しようとしましたがビニール線が届きません。
A ビニール線を真ん中で切って、新たなビニール線を追加してハンダ付けする
各基板への配線は複雑ですので、線同士の重なりや取り回し方で、ロボット型紙の位置に基板を貼り付けようとしても、ビニール線が届かなくなってしまうかもしれません。その場合、ビニール線を一旦外してやり直すのもよいですが、それによりさらに複雑になってわからなくなるリスクもあります。
複雑になってしまうのを避けるには、一度ビニール線を中央あたりで切り、基板を型紙に貼り付けた後、モーターへの配線と同じように、切ったビニール線同士でハンダ付けするとよいでしょう。長さが足りなければ新たにビニール線を足します。このときにハンダ付けしたところを熱収縮チューブやビニールテープなどで絶縁しましょう。ビニール線のハンダをむき出しにしていると、ほかのビニール線のハンダ部分と接触してショート回路になってしまいます。
Q ハンダ付けも配線もできているはずなのに、うまく作動しません。
A 一番多い要因は、ハンダ付けのミス
最もよく受ける質問ですが、まずは目でよく見て確認することから始めましょう。部品の位置、向き、配線が間違っていないか、などをチェックしてください。
作動しない一番多い原因はハンダミスです。「ハンダ付けしたつもりだったのに付いてなかった」、「1か所ハンダ付けできていなかった」などがよくあります。まれに目では確認できないクラック(ひび)により接続できていない場合もあります。ハンダ付けしたところを再度こて先で温めて、ハンダを一旦溶かしてみるという方法もあります。
電池の方向間違いや消耗も、ときどき見受けられます。特にモーター駆動用の電池は消耗が激しいので、電池を新品にしたら解決したということもあります。 また、前の質問でもいいましたが、ビニール線同士で接続したところは熱収縮チューブやビニールテープなどで絶縁してください。ハンダ部分が接触すると、ショートしてしまう場合もあります。
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