海底火山から湧
き出るマグマのような噴火現象をつくり出そう! 赤く色をつけた水に油を注ぎ、発泡剤
を投入すると、底から赤い球体がブクブクと湧き上がるぞ。インパクト抜群の“火山大噴火”を観察して、液体が持つ性質を知ろう。
★わかること:液体の重さ・表面張力
用意するもの
材料(家で試しやすい分量)
●水(40℃程度に温めた湯)……50mL
●食紅……適量
●サラダ油(菜種油)……100mL
●発泡剤(入れ歯洗浄剤や入浴剤など、炭酸水素ナトリウムを含むもの)……1個
道具
●ガラスの容器(コップなど、容量200mL程度)
※元気先生が三角フラスコで紹介している実験は、水500mL、サラダ油2.5Lを使った大規模なもの。家庭で手軽に行うには一般的なガラスのコップでOKだ。
※サラダ油は、揚げ物などに使った後の廃油を冷ましたものでもOK。
実験手順
《解説》火山大噴火の秘密
なぜ水と油は混ざらない?
水にサラダ油を注いだら、水と油の層に分かれたね。このとき、水が下側に溜まったのは、油よりも水の方が重いからなんだ(図1)。
水に何かを入れたときに、水よりも軽いものは浮き、重いものは沈む性質がある。では、なぜ水と油は混ざらずに、境目がはっきりと分かれたのだろうか? この現象のカギを握るのは「表面張力」という力だ。表面張力とは「できるかぎりまとまって、表面の面積を小さくしよう」として働く力のこと(図2)。
違う種類の液体同士が接するとき、表面張力はバリアのようにも働く。サラダ油の表面張力は水の半分くらいで、水のバリアを破
って混ざり合うことができず、水と油の境目がはっきりと分かれるんだ。
ここに発泡剤を入れると水の層まで沈み、二酸化炭素の泡を発生させる。二酸化炭素は水や油よりずっと軽いから、油の層まで水を持ち上げる。二酸化炭素の泡が抜けると水はまた沈む、ということを繰り返して“大噴火”が起きるんだ(図3)。
試してみよう
条件を変えてみて、現象がどのように変化するか調べてみよう。
●水の温度を変えてみる。
●発泡剤を入れる量を変えてみる。
取材協力
(撮影/佐藤克秋)