にゃんと!CSI~猫科学捜査班~実験解説だにゃ【子供の科学2024年9月号】

みんな元気かにゃ? 本誌科学まんが「にゃんと! CSI(猫科学捜査班)」の「フェマ」ことフェイマスだよー。誌面に登場した科学のしくみを、すこしくわしく紹介しまーす!

いとこの「アンノ」とー。

ふたごの「ウン」。ふたりあわせてぇ〜!


アンノ&ウン:「アンノウン!!」…”知られてない”っていう意味だよ。
フェマ:では例によって、今回のお・さ・ら・い…。

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ピクニック用のお弁当をつくってたら、アンノが飛んできた…いつものように“大あわて”で(笑)。

アンノ:だってさ、つくっておいたゆで卵が、なま卵と混ざっちゃったんだぉ。こりゃ“超おおごと”でしょ。
ウン:にわとりさんが産んだときに書いといてくれればいーのに。

え? 産んだときは全部なま卵だけど…。ま、おいといて、ぼくはすかざずゴーグルそーちゃく! 今回は空中一回転ねこヒネリのウルトラCワザつきだよ。

――― 誌面でも紹介したように、フェマの持っているゴーグルは着用すると科学実験パワーが3.1416倍にアップする。つまり、科学力が人間の数倍といわれるふつうのネコより、はっるかに高度な思考と実験の力で、大部分の(?)問題を解決できるのだっ―――

フェマ:卵を机などの上に置き、両方のとがった部分を左右または上下にくいっ…つまり、たがいちがいに引っぱる。卵に回転する力を加えるわけだ。

このとき、ゆで卵だとカラと中身(黄身と白身)は一体になっているので、カラを回転させる力は中身にも伝わる。だから中身も回転して、全体がくるくるとよく回転する。

でもなま卵は中身がかたまっていないから、カラと中身はくっついていない。なのでカラを回転させる力は中身にはつたわらず、中身は止まったままだ。止まっている中身がじゃまをするので、全体はあまりよく回らない。このちがいを動画で見てみよう。

なるほどね。でもさ、ウンみたいにあまり器用でないひとは、そもそも卵が回せないじゃん。違いがわからないかもよ。

わたし回せるよー。え〜い…あれ?

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その場合はとっておきの区別方法がある。とりあえずすこしでも回しておいて、ちょんとさわって回転を止め、ようすを見るんだ。動画で見てみよう。

アンノ:うえ?、きもっ。止まったはずなのに…。
ウン:なま卵って生きてるのよ、なまだけに…。
フェマ:ある意味生きてるけど、だから動くわけじゃない。運動のしくみなんだ。

ゆで卵は回転しているところにカラを押さえて止めると、中身も一体だからいっしょに止まる。手を離せば止まったままだ。
でも、なま卵は回転させにくいぶん、いったん回れば中身も少し回る。で、手でカラを止めても中身はくっついていないので回ったまま。押さえた指をはなせば中身の回転がカラに伝わって全体が回る…というわけ。

これって手品っぽくてかっこいいけど…。

実は手品じゃないのね〜!

うん。運動の法則という、ニャートン(*注)が示した法則のひとつにあるしくみ。「動いているものは動き続け、止まっているものは止まり続ける」ということで、このはたらきを慣性というよ。ま、かんたんにいえば惰性ってやつ。

*注:人間世界ではアイザック・ニュートンとして知られている、17世紀に活躍した偉大な物理学者。


アンノ:ニャートンえらいっ! 慣性すごいっ!。
ウン:そか、だからにいちゃは、だらだらしつづけているのね。
フェマ:う…(絶句)。

3人:ということで、また来月もよろしくね〜っ!

つづく。

イラスト/こみひかるこ 文/でぼにあん山村

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子供の科学 2024年 9月号

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