みなさん、こんにゃちわ〜!。本誌の科学まんが『にゃんと!CSI(猫科学捜査班)』で主演してる、白ネコのフェマです。誌面に登場した科学のしくみについて、すこしくわしく紹介するページだよ〜。
いとこのキジトラ「アンノ」だよー。今月はぼくがめだつ番にゃ!
わたしもめだちたい〜っ。アンノと双子兄妹の「ウン」でーす。ふたりあわせてぇ〜!
アンノ&ウン:「アンノウン!!」…”知られてない”っていう意味になるんだよ。
フェマ:だからー、ぼくよりずっと目だってるってば。置いといて…では、今回のお話の、お・さ・ら・い。
フェマ:ぼくがいっしょうけんめい実験室のおそうじをしてると、アンノとウンが大さわぎ!
アンノ:そうだそうだ、たいへんだったのにゃ!
ウン:廊下が水びたしだったのよ〜っ!
アンノ:だれかが、バケツにぞうきんを入れっぱなしで…。
ウン:で、水がぽやぽたと出てて…。
フェマ:はいはいはいはい、はいっ。ぞうきんがけの途中だったんだよね。そこんとこ飛ばして…、ポイントは「なぜ水がぞうきんをのぼってバケツの外に出たたのか?」でしょ。
そだそだ、ヒトリデに出たのだ…水が。
こわいよ〜。ヒトリデが出たよ〜。
わかったわかったって。なのでぼくはゴーグルを装着だ! スチャッ!
―――誌面でも紹介したように、フェマの持っているゴーグルは着用すると科学実験パワーが3.1416倍にアップする。つまり、科学力が人間の数倍といわれる普通のネコより、はっるかに高度な思考と実験の力で、大部分の(?)問題を解決できるのだ!
フェマ:OK、これは毛細管現象のしわざだな。毛細管というのは「髪の毛のように細い管」の意味だけど、何かと何かがとてもせまいすき間でくっつきあっている場合も同じだ。ぞうきんは糸でできていて、これは細い繊維(せんい)がよりあわさってでできている。
アンノ:つまり、細いものがびっしりくっつきあっているんでしょ。
ウン:そーするとヒトリデが出るの?
フェマ:その話は置いておいて、まずは水の性質を考えよう。
フェマ:ガラスのコップに入れた水の表面を観察するよ。へりのところはどうなってる?
アンノ:平らだとおもうけどな、ふつー。
ウン:えっ? よく見るとヘリは平らじゃないよ。
フェマ:そうだね〜、びみょーに盛り上がっている。これはガラスが水にぬれやすい性質だから。ガラスと水との間に引き合う力が働いている…ってことだ。
フェマ:で、コップの両側がもっとずっと近かったらどうなるか。2枚のガラスの片側につまようじをはさんで水につけると…。
アンノ:あれっ? 水が吸い上げられているぞ。
ウン:しかも、間がせまいほうが水位が高いわ。
フェマ:つまようじがある方はすき間がだいたい2mm。反対側はすき間はほとんどない。
アンノ:わかったぞ! すき間がせまいと両方のガラスのかべが助け合って水を引き上げているんだ…きっと。
ウン:それに、せまいってことは水の量も少ないから、小さな力でもよぶんに引っぱり上げられるのよ…きっと。
フェマ:ふたりとも正解。これが毛細管現象のしくみ。で、さっきいったようにぞうきんには繊維のせまいすき間がいっぱいあって、水が引き上げられて上がっていく。で、バケツのヘリを超えると…。
アンノ:重力でどんどん流れ出る出る!
ウン:わーい! ヒトリデが出るのね。やった〜っ!
フェマ:ま、そういうことだね。なお、ぞうきんのバケツの外に出ている部分がじゅうぶんに長くないと、水はあまり出ない。ぞうきんをどのようにバケツにかけると水がよく出るか、いろいろ試してみると楽しい自由研究になるよ!
ウン:それもたいせつだけど、にーちゃんはぞうきんがけ、終わったの?
フェマ:あ…。
3人:では、来月もよろしくね〜っ!
つづく。
イラスト/こみひかるこ 撮影/川上秋レミイ 文/でぼにあん山村