最近は少なくなったけれど、電気製品などのクッションとして使われている発泡スチロール。実は、みかんの皮の汁を使って発泡スチロールを溶かすことできるんだ。この性質を利用して、スタンプをつくってみよう。
最近は少なくなったけれど、電気製品などのクッションとして使われている発泡スチロール。実は、みかんの皮の汁を使って発泡スチロールを溶かすことできるんだ。この性質を利用して、スタンプをつくってみよう。
用意するもの
シール紙に発泡スチロールをあてがって、スタンプ面にする大きさで枠を書いた後、枠の中に模様を描く。あとで発泡スチロールが溶けるときに線が細くなるので、できるだけ太めに描く。また、細かい模様は難しいので、できるだけシンプルなデザインにしよう。
模様を描いたシール紙を、枠に沿ってはさみで切り取る。シール紙の裏紙をはがして、発泡スチロールの表面にぴったりと貼りつける。
シール紙の上から、描いた線の外側にカッターで切り込みを入れる。刃先が2~3mmほど入るようにして、シール紙と発泡スチロールを一緒に切るんだ。その後、模様の背景になる部分のシール紙を、ていねいにはがす。
用意しておいたミカンの皮を折り曲げて押しつぶしながら、スタンプ面の発泡スチロールに汁を塗りつける。塗りつけたところの発泡スチロールが、次第にへこんでいくのがわかるはずだ。
発泡スチロール表面に残っている汁を水でよく洗い流してから、模様の部分のシール紙をはがせばスタンプの完成だ。
スタンプ台を使ってインクをつけ、紙などにスタンプ!インクの色を変えたり、違った模様をつくったりしても楽しい。
オリジナルスタンプ完成!!
なぜ発泡スチロールが溶けるの?
柑橘類の皮の汁に含まれるリモネンは、炭素と水素でできている化学物質で、ちょっと油に似た性質を持っている。一方、発泡スチロールをつくっているのはポリスチレンという物質で、その分子は細長くつながったヒモのような形をしている。発泡スチロールにリモネンが触れると、リモネンの分子が発泡スチロール分子の長いつながりを細かく切って分解するので、発泡スチロールが溶けた状態になるんだ。安全に発泡スチロールを溶かし、体積を小さくできるから、ゴミ処理やリサイクルに便利。リモネンを使った処理を行う専門業者もあるんだ。