私たちの身の回りには、プラスチックをはじめ、さまざまな化学製品があって、豊かな生活を支えています。こうした化学製品の研究開発をリードしてきた化学メーカーが、三井化学です。
三井化学のはじまりは1912年にまで遡ります。それまでの薪や木炭に代わる熱エネルギー源として使われるようになった石炭から得られるガスを原料に、日本で初めて化学肥料を製造。さらに日本に現在ほどプラスチックが普及していなかった1950年代に、日本で最初の石油化学コンビナートを建設するなど、時代の先駆けになる技術開発にチャレンジしてきました。
新たに開発された技術によって、私たちが暮らす社会はどんどん便利で豊かになってきました。こうした研究の進め方を「フォアキャスト」といいます。ところが今、技術開発により世界が豊かになる一方で、地球温暖化や環境汚染などの社会課題も生じています。
これからの時代は、従来のフォアキャストだけではなく、10~30年先の “創りたい未来”を描き、その未来から逆算して今取り組む研究テーマを決める「バックキャスト」型の研究開発が求められます。そこで2022年に立ち上がったのが、未来技術創生センターです。
- 主席研究員
- 西村陽子さん
生物化学に基づいて商品開発に
取り組んできた。
- センター長
- 上原与志一さん
長くプラント建設などに
関わってきた。
VISION HUB™ SODEGAURAのエントランスには、「0」から「1」を創るというメッセージを、研究員の体を象ったフィギュアで表している。
「 VISION HUB™ SODEGAURA 」 ってどんなところ?
未来技術創生センターがある三井化学の研究施設「VISION HUB™ SODEGAURA」には、関連会社を含め約1000名の研究者が働き、より快適な社会の実現を目指して、新技術、新材料の研究開発に取り組んでいます。施設のエントランスには三井化学が開発、製造しているさまざまな製品が展示されており、三井化学がどんな未来を創ろうとしているのかを知ることができます。
未来技術創生センターが見据える未来は2050年。今から26年も先の未来を考えようとしているのです。同センターの上原与志一センター長がこう話してくれました。
「遠い未来を予見することは難しい。でも、こんな未来になったらいいなと、創りたい未来を考えることはできますよね。今の世界から未来を予想するのではなく、まずどんな未来になっているといいか、真っ白なキャンバスに描いていくのが、私たちが取り組んでいる研究です」
下の図を見てください。未来技術創生センターでは、まずエネルギー、医療、宇宙開発、人間拡張などのさまざまな分野で、理想の未来を構想していきます。
この構想を、三井化学の研究者たちに伝えながら、創りたい未来を実現するために今研究すべきことを考えていくのです。
「バックキャスト」型研究開発のイメージ。今必要な技術ではなく、創りたい未来のためにどんな研究が必要かを発想することで、新しい研究のアイデアが生まれる!
未来技術創生センターはどうやって未来をイメージしているのでしょう? メンバーは国内外の研究機関にも派遣され、最先端の研究を学ぶ中で未来を探っているそうです。「遠い未来を考えることは意外に難しい」と上原センター長は語ります。
「長年研究開発に取り組んでいると、今ある技術をベースに考えてしまい、創りたい未来ではなく、ついつい実現できる未来を考えがちなんです。でも、未来を創っていくのは、『こんなことがしたい!』という“強い欲望”だと思うようになりました。未来を思い描くとき、必ず私たち自身の『なんでその未来がいいのか』、『その未来で何がしたいのか』を問うようにしています。
これを読んでいる小中学生のみなさんは、2050年には30~40代。社会の中心で活躍していることでしょう。まさに未来を創る世代。そこで今回、未来技術創生センターと『子供の科学』は、小中学生のみなさんと一緒にどんな未来を創りたいか考える「未来創りプロジェクト」を立ち上げます。
ぜひ、みなさんの自由な発想で、どんな未来を創りたいか考えて、特設サイトからご応募ください。そのとき、その未来で何がしたいのか、自分自身の欲も書くことが大切。その願いを実現するアイデアを考えることで、新たな研究テーマが生まれるかもしれないからです。
創りたい未来を思い描く未来技術創生センターの研究に、小中学生のみなさんも参加できる子供の科学100周年スペシャルプロジェクト!
みなさんの自由な発想で、どんな未来に暮らしたいか送ってください。
お送りいただいたみなさんの未来は未来技術創生センターが目を通し、一部を子供の科学のWebサイト「コカネット」にて研究員のコメント付きで掲載。未来技術創生センターの研究に活かしていきます。さらに、応募者の中から抽選で、素敵なプレゼントもあります。
- 応募期間
- 2024年7月10日(水) ~ 9月30日(月)
- 応募方法
- 本サイトの下にある「未来の構想を応募する」ボタンをクリックし、応募フォームに必要事項をご記入の上、ご応募ください。
- 対象者
- 小中学生
- 募集内容
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以下の内容をフォームよりお送りください。
- ① 2050年の未来にどんな暮らしをしていたいか?
描いた絵をアップロードすることもできます。その際、ファイルサイズは20MB以内までとなります。 - ② そう思う理由
- ③ その未来で具体的に何がしたいか、何がほしいか
※お一人様、何回でもご応募可能です。
- ① 2050年の未来にどんな暮らしをしていたいか?
- 注意事項
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- 応募者からご提供いただいた個人情報は、株式会社誠文堂新光社(子供の科学)が適切に管理し、プロジェクトを主催する三井化学株式会社と共有します。また、応募内容の確認やプレゼントの発送など、本プロジェクトを遂行する目的のみに利用いたします。応募者ご本人様の許諾を得ることなく第三者に開示または提供することはありません。
- プレゼントは厳正な抽選の上、当選者を決定します。
- ご応募いただいた文章や絵などの未来のアイデアは、子供の科学編集部および三井化学株式会社にて編集・加工の上、雑誌、Webサイトなどのメディアや、研究資料として公開させていただく場合がありますので、あらかじめご了承ください。
「未来創りプロジェクト」に
ご応募いただいた方の中から抽選で
10名様に、
『子供の科学』で連載中の
薬理凶室くられ先生と、
三井化学グループの
オープン・ラボラトリー活動「MOLp」が
コラボしたスペシャルグッズ3点セットを
プレゼントします!
フォトクロミック機能により、 太陽光に反応して色付く御守。
室内で見るさまと太陽の下で見るさまが異なる新しい御守に勇気をもらおう!
(※効能はありません。この御守を持っていても化学 / 科学の成績は上がりません。勉強頑張りましょう!)
フォトクロミック機能により、 太陽光に反応して色づくボタン。高い透明性や高屈折率など光学特性に優れ、軽量かつ高強度、メガネレンズ材料MR™を使用しSunSensors™ のフォトクロミック色素技術によって紫外線で色づく特徴を生かしています。一見地味なシャツが、屋外に出た途端にファッショナブルに変身!?
紫外線の波長のエネルギーを吸収して、そのエネルギーをより長い波長の光として発光します。三井化学が持つメガネレンズ材料の技術を用い、表と裏では発色が異なるようにつくられています。この商品を使用するにはUVライト(紫外線ライト)が必要になります。太陽光の下ではこの現象はわかりません。
MOLpとは?
さまざまな素材の中に眠っている機能的価値や感性的な魅力を、あらゆる感覚を駆使して再発見し、そのアイデアやヒントをこれからの社会のためにシェアしていく、三井化学グループのオープン・ラボラトリー活動。